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『春の遠足』Ⅰ.

単色刷の街

紫陽花を今年は何処で見るのだらう単色刷の街に暮らして

自販機の灯りも消えて永眠の似姿として空き缶の山

側溝に投げ棄てられし傘の骨明日には緋き錆となるべし

暗がりにアンテナのみが光りをり異国にあるといふ自爆テロ

米茄子のみづみづしさに刃は沈みそれは能面のやうな白色

浴槽にわたしがこぼれゆく夜の近接未来形の切実

気づいたら壁際にゐる重さかな足の先から日付は変はる

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