【解説】DAY1からフルリモート。200名でもワークするZapier社の完全リモートノウハウ

優れた作業の自動化ツールを提供するZapierは、そのプロダクトクオリティもさることながら、彼らの徹底したワークスタイルでも有名なシリコンバレーのテックスタートアップ。

いや、"シリコンバレーの"というのは語弊がありそうで、現在200名を配する同社は、DAY1から今の規模までずっと全社員フルリモートを実現している。

2019.3.19に公開されたZapier CEO Wade Fosterの1時間以上にも及ぶインタビューより、最新のリモートワークノウハウについて紹介する。

また、Zapier社は培ったリモートワークのノウハウを惜しげも無く191ページに及ぶ「The Ultimate Guide to Remote Work」を公開している。
こちらのエッセンスも交えて可能な限り簡潔に解説していく。より深く満遍なく理解したい場合はこちらのpdfを読み込む事をオススメする。

1. まず、どうやって200人の完全リモートチームを作ったのか?

まずバリューを明確にした。実際にパフォームしている従業員をベースにコアバリュー を明確にして、それにそって採用をした。具体的に我々がリモートワークベースのコアバリューで大切にしているのが次の2つでリモート環境ではスーパークリティカル。

1. セルフスターターであること
2. 透明性が高くコミュニケーション能力が高いこと

リモート環境では、自分で仕事のスイッチややる気をある程度コントロールしなくてはならない。だからセルフスターターであることが大事。
次に透明性、そしてコミュニケーション能力は必須。特にドキュメンテーションを積極的に行って他のメンバーへ伝える能力、ノウハウ/マニュアルをまとめてそれをベースに他のメンバーがオペレーションできる仕組みを即座に作ってしまうような人が望ましい。なぜなら、地球の反対側にいるメンバーをサイトが落ちた時に叩き起こすわけにはいかない。

ーー  from Remote Work Guide Book ーー

ガイドブックでは完全リモートチームを作る上において「チーム」「ツール」「プロセス」の3つが大事だと説明している。特に「チーム」における採用要件で面白かったのが次の要素だ。

Hire people who can write(書き残すのが得意な人を採用しろ)

それぞれのローカルなバーチャルオフィスでは実際には直にたくさんの会話が行われる。しかしリモート前提のチームにおいては、書き記したコミュニケーションでシェアしなければならない。良いライターこそリモートチームに必要だ、と。

また、リモートワークに適する人材はフリーランスやスタートアップ属性が多いとも記している。

2. どうやってコアバリューに沿ってスクリーニングしているのか?

「Behavioral based questions(振る舞いベースの質問)」
を用いるようにしている。例えば何が業務上の問題に直面した時にどのような振る舞いをするかを確認する質問だ。ベターな答えとしては問題を解決するような策と、並びに同じ課題を解決できるような仕組みまで整えられると素晴らしい。さらに優れた回答は、課題の解決策だけでなく、それを他のメンバーにもシェアしてフィードバックをもらい、汎用性の効くより良い解決策を構築する、といった具合だ。

他の人よりも1, 2, 3ステップぐらい先を見通した行動、仕事ができる人が望ましいと考えている。

3. 200名のリモート環境は実際どのような場所なのか?

200名の従業員は15〜18の国にまたがっている。つまり、世界中でリモートワークしているメンバーがいる。
そのほとんどが「HOME(自宅)」だ。一部のメンバーはネットワーク環境などの理由でコワーキングスペースを使ったりもしているが、ほとんどが自宅勤務。

4. そもそもなぜ、完全リモートチームにしたのか?

まず第一に、もはや200名全員サンフランシスコに集まれって言っても無理だけどね。
それはさておき、リモートワーク前提だと最もアドバンテージがあるのは世界中のタレントプールにアクセスできること、つまり採用可能な優秀な人材が物理的な距離を超えて圧倒的に増えることだ。
そして人材のリテンションレイトは90%台と高い。この高いリテンションレイトと広大な採用ポテンシャルによって、ものすごくスケーラブルな状態を生み出せている。

5. リモートワークへの取り組みで最も手痛い失敗は何だった?

「マネジメントの価値を過小評価していたこと。」

20名程度までは完全フラットでマネジメント構造もなければ1on1も無かった。そもそもマネージャの価値を過小評価していたし、完全リモートチームであればそれは必要ないと勘違いしていた。しかし人が増えるにつれて、コーチングへのニーズ、組織の機能不全などが実際目立ってきた。
そんな自分のマネジメント感を変えたのか「Manager Tools Podcast」だ。これは実際1on1をどうやれば良いのか、悪いフィードバックを率直に伝えるためにはどうしたら良いのか、など実践的で戦術的な内容で非常にオススメする。

6. リモート環境でどうやってマネージャは部下をモチベートしたり管理したりできるのか?

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【解説】DAY1からフルリモート。200名でもワークするZapier社の完全リモートノウハウ

Kenji Tomita | tommygx90

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