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介護人材が不足するのは当たり前!人口減少が止まらない日本


1.人口減少が止まらない

 この記事は衝撃的ですね!愕然とします!

 厚生労働省によると、2023年の出生数(速報値)が約75万人(前年比5.1%減)だったとのこと。これで、出生数は8年連続で減少し、過去最少で出生数の減少が加速しているらしいです。

 出生数が減少するのは若い人たちが結婚できないからで、婚姻数は前年より3万組少ない約49万組で戦後初めて50万組を割ってしまったとのことです。

 生産年齢人口(15~64歳人口)は、1995年の国勢調査では8,726万人でピークに達しましたが、その後、減少局面に入り、2020年国勢調査によると7,509万人となっており、25年間で1,217万人も減少(約14%の減少)してしまっています。
 将来の生産年齢人口は、出生中位推計の結果によれば、2024年の生産年齢人口推計は7,346.6万人ですが、10年後の2034年では6.811.1万人となり、10年間で535.5万人も生産年齢人口が減少(7.2%の減少)します。10年間でほぼ北海道の生産年齢人口が失われてしまうのです。

 こうしてみてくると、介護労働者が減るのは当たり前なのです。
 生産年齢人口の推計からすると、介護労働者も自然減になるのが道理です。

2.貧困が人口減少の根本原因

 日本の人口減少、生産年齢人口の減少は、資本主義による格差拡大、労働者の貧困化による婚姻率の低下、合成特殊出生率の低下が原因です。 

 経済学者の大西広(京都大学名誉教授)さんは人口の減少、再生産は格差拡大のせいで未婚率が上昇して子供を産み育てることができなくなったからだと次のように指摘しています。 

「実質賃金で言えば1995年のピークから2020年に至るまでに実は16%の下落となっています。」

引用:大西広2023『「人口ゼロ」の資本論』講談社+α新書 p40

「未婚割合の推移をみると、ほんの30年前までは、特に男性の場合、50才まで結婚しないというのはほとんどありえない状況であったことがわかりまます。それがここにきて急速に広がり、いまや人口の4分の1以上を占めるに至っているということです。・・・この現象は非正規労働者においてはさらに広がり、60%以上に至っています。」

引用:大西広2023『「人口ゼロ」の資本論』講談社+α新書 p38,39

 「格差が拡がると下層の人々は人口再生産ができなくなる。すでに男性の25%以上、非正規労働者に限れば60%以上が結婚ができない社会になっていて、人口も再生産できなくなっている。」

引用:大西広2023『「人口ゼロ」の資本論』講談社+α新書 p114

 大西広さんは、そもそも、資本主義自体が貧困者をつくる仕組みを内在させているといいます。 

「そもそも「資本主義」そのものが社会の一方に貧困者をどうしてもつくらなければならないという本質を持っていた・・・」
『この経済システムでは2つの社会階級が必然的に生み出されます。機械と結合して生産活動を担う労働者階級とそれを企業家として担う資本家階級ですが、後者がその「成果」に応じて利潤の分け前を受け取る一方で、前者の労働条件は低ければ低いほど投資=蓄積資金としての利潤部分の確保が容易になるのでよい、とされてしまうことになります。つまり、資本主義はこうしてその始まりから本質的に低賃金で働かせる労働者群を必要としており、要するに「経済格差」は最初から必要事であったということになります。』

引用:大西広2023『「人口ゼロ」の資本論』講談社+α新書 p151,152

 資本主義体制そのものが、格差を拡大し、国民の貧困化させ、結婚できず、子供を産めないようにして、人口減少、生産年齢減少を招いており、その結果の介護人材不足なのです。

 介護人材不足は小手先の対策ではもうどうにもならない段階に来ています。経済体制、社会体制、政治体制そのものを変革しなければ日本人がこの地球上からいなくなってしまいそうです。

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