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の、ついでに美術館【蔵王の老舗旅館が運営している美術館②】

さて、貸し切り状態で始まった美術館であったが、品揃えがめちゃくちゃ良いのだ。

ホームページより
ホームページより
ホームページより

さらに、江戸時代に使われていた煙草入れに印籠(薬入れ)があったが、どれも素敵なものだった。説明によると、

江戸時代には通常武家以外富農(地主等)や豪商であっても絹織物等の着衣などの制限があり木綿以外に着用出来なかったので隠れた所持品に粋を凝らして使用しステータスを味わって居りました
その名残りの品々であります

館内の説明文より

とのことである。

山形にどうしてこれだけの品があるのだろうか。はっきり言って、なめてました。
ごんなさい、、、

こちらの美術館はタカミヤホテルグループが運営している。タカミヤホテルグループというのは、県内でホテル・旅館を経営しているところで、創業が1716年という引くほどの老舗なのである。
江戸時代、各藩主が湯治に訪れており、その時に使われていたものが数多く現存していたのだ。また、さまざまな著名人も利用しており、菊池寛、斎藤茂吉、山下清などの書や作品も展示している。つまり、旅館業ならではの旅館業だからこそ集まる作品が数多く展示されているのだ。
都内にある大きな美術館の企画展とは、一味違うものが展示されており、しかもその蔵王という土地やその旅館の歴史も楽しむことができるという一石二鳥どころの騒ぎではないくらいの楽しみ方ができるのである。

さて、ここからは僕が気になったものを紹介していこう。

皆さんは「根付」を知っているだろうか。
「ねつけ」と読む。
煙草入れや印籠などに紐をくくりつけて、帯に引っかける留め具てある。
これでもよく分からないと思うので、Wikipedia先生にお願いしよう。写真があった。

Wikipediaより

この根付がさまざまな種類があり、かわいいのだ。100以上の数があったんじゃないだろうか。お見せしたいのだが、写真はNG。なんで、ネットで検索したこれ見て。

Eco Ringホームページより
Dan・Sha・Ri-GINZA-より

象牙でできているものが多いのだが、留め具ということで丸いものが多い。受付をしていたお姉さんは学芸員の方ということで、根付について聞いてみた。庶民から金持ちまで根付は利用していたようで、裸などの性的な作品は当時はダメ。だが、根付はグレーで許されていたとのこと。
「お姉さんが好きなのはどれですか?」
と聞くと、

「ええ!迷いますねー。でも私はこれかなあ!」

都内の美術館ではあり得ない。ここでは、学芸員さんの好きな作品を聞くことができた。これも一つの魅力である。

また、刀の鍔(つば)も良かった。こちらは、何代目かは忘れてしまったが、支配人が知り合いから譲りうけたものらしい。こちらも相当な量があった。
刀の鍔と聞き、ピンとこないかもしれないだろう。それが美術品?と思うかもしれないが、美術品なのだ。てなわけで、恒例のネット検索でイメージを掴んでいただきたい。

歴人マガジンより

さまざまなデザインのものがあるのだ。

このへんで、外は雨が降り出した。
①に書いたが、5つの建物があり、それを回る。ちょいちょい外を出るのだ。雨に濡れるの嫌だなあと思っていると、学芸員のお姉さんが傘を持ってきてくれた。
何から何まで、すみません。

さて、話を戻そう。
見えにくい刀の鍔にこの細かいデザイン。根付もそうだが、江戸の人はオシャレである。侍同士の戦いになっても、 

「え、待って。こいつの鍔めっちゃオシャレじゃん!」
「すきあり!」
「うわーやられたー!!」

なんてこともあったかもしれない。
いや、ないよね。

中には、職人が一年以上かかる作品もあるそうだ。しかし、その間も職人が食べていけるお金を侍はしっかり出していたそうだ。鍔の職人がそれで生きていけた。これまた、いい時代である。

まだまだ、紹介しきれていないほど、さまざまな展示があるのだが、ここで終わりにしよう。いつのまにか2時間たっていた。

バスを待ちながら、タカミヤホテルグループの旅館はどんなものなのだろうと、調べてみた。

めちゃ良いとこだね。
うん、今の稼ぎじゃいけないです。

この美術館みた後に泊まれたら楽しいんだろうなあ。

温泉の、ついでに美術館。

楽しいと思います。ついで以上の満足度です。

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