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「老人と海」に見るヘミングウェイ其の1

老人と海で伝えたかったこと

私の見解

本日、『老人と海』をテーマにした読書会を開催した。

老人と海には、ほとんどサンチャゴという老人しか登場しない。
サンチャゴが、カジキを釣り上げる様を、ほとんどのページで割いている。

この本を読み、一番感じたことは、この物語は人生そのものであるという事です。

サンチャゴには若かれし頃の栄光がある。
しかし、今は年老いてしまい、思うように体が動かない。

例外なく歳をとっていく、自分自身と照らし合わせて読む人も多いのでは無いかと想像します。
私も身体が不自由になった先の未来について、考えることが多くなってきた時期に、人生が差し掛かってきたので、心にずしりと乗っかったような感覚を覚えました。

老人は、カジキではなく、自分自身と戦っている様子を描いています。
自分と戦うことは、いろんな場面で求められますが、ここに描かれているのは、一人の老人の生き様そのものであるように思うのです。

私は今まで、自分と戦わなくては行けない場面をいくつも乗り越えてきました。
しかし、サンチャゴは、カジキと戦うことに集中する場面であるはずのところで、自分と戦っています。

カジキは獲物ではなく、旧友のように話しかけています。
共に戦う事を楽しんでさえ、いるように映ります。

人生をこんな形で振り返ることができたら、なんと幸せなことでしょうか。
今までの全てを肯定し、自分自身を労い、「しっかりしろ、この老ぼれめ」と、自分の事を叱咤激励しながらも、決して甘えを許さない。
自分に厳しくするというのは、こんな形を言うのでは無いかと思えるほどです。
スパルタとか、我慢するとか、そういうことではなく、自分を認め、自分を愛して、「お前ならできるはずだ」と激励する。
こんな生き方は、自分にとってとても大きな成果をもたらす方法なのでは無いかと思うのです。

老人と海については、来月も『二人だけの読書会』で話す予定です。
また、シェアしたいと思います。

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