【コラム】科学的に考えるとは? 医療における科学と疑似科学の境界線
このメンバーシップ向けの【コラム】では、エビデンスの読み方や活用に関する方法論をご紹介してきました。研究手法の詳細や医学論文の探し方・読み方については、一通りの解説をしたつもりです。
現時点で利用可能な最も信頼できるエビデンスを踏まえながら、目の前の患者さんに対して最善の治療を行うという医療者の臨床行動スタイルをEvidence-Based Medicine(EBM)と呼びます。
具体的には、①疑問(問題)の定式化▶②エビデンス収集▶③エビデンスの批判的吟味▶④エビデンスの患者への適用▶⑤ ①~④のフィードバック、という5つのステップで構成されています。
EBMの実践では「エビデンスを踏まえる」というプロセスにこそ科学的な思考が宿るわけなのですが、そもそも科学的とはどのようなことを指しているのでしょうか。今回の【コラム】では、医療における科学と疑似科学の境界線を考察してみたいと思います。
あらためて振り返る「根拠」とは?
ここから先は
6,190字
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?