第113回 師輔の死
天徳3(959)年。中納言師尹(40歳:師輔の同母弟)の自慢の娘・宣耀殿の女御芳子は、目尻の下がった可愛い美貌で、古今集1100首を全部暗記するほどの才媛で、更に長い髪が誇張でしょうが、牛車に乗っても先端がまた母屋にあったという事です。村上天皇の覚えもめでたく天皇はよく芳子の殿舎に行っていました。安子は皇后とはいえ、気が気ではありません。何と壁の穴から覗き見ると天皇と芳子がたわむれています。かっとなった安子は土器のかけらを穴から投げつけたという事です。(『大鏡』)
この時はさ