『マーキュリー・ファー』今更所感

一年以上前に見た舞台の話を今更書く。
細かいところは覚えてないので舞台の感想というか、連想した話とかいまだにちょっと考えたこととかが中心。

母の推しが主演ということで、連れて行かれた舞台。
再演だったが、前情報ゼロで見た。
というのもこれは個人的なこだわりだが、気になってみるか迷っている作品については事前に調べたりするが、観ることが確定している作品については一切調べない。
それはそれとして、ちょっとだけ気になって時間もあったので演出家だけ調べた。wikiで演出した舞台見てたら出口なしとか恐るべき子供たちとかやってて、多分明るくない作品なんだろうな〜みたいな気持ちにはなった。これ書きながら思い出したけど、出口なしの舞台、大学の授業でちらっと見たな……。出口なしと恐るべき子供たち両方好きだからまたどこかでやる機会があったらみたいな。

そんなわけでなんも知らずにみにいったけど、最初みた時これボスニア・ヘルツェゴビナ紛争かルワンダ虐殺が下地かなーって思った。実際はイラク戦争の方だったけど。
なんでその二つかって思ったかというと、ちょうどこの前後くらいに映画館で『アイダよ、何処へ?』のポスターが貼ってあってたまたま調べてたのと、それに引っ張られて『ホテル・ルワンダ』が頭にあったので。この二つの出来事頭の中でごっちゃになってたけど別々だった。細かくいったら全然違うかもしれないが、民族浄化とか虐殺とかそういう意味では起きたことに共通点はあると思う。そしてこれはこの舞台にも通じること。
ただ上記の映画も興味はあったけど戦争映画を観る元気がなくて観てはない。戦争描写が苦手ってのもある。エロ・グロ・ナンセンスは好きで小説とか漫画とかは読むし好きだけど戦争映画は苦手なんだよな。戦争漫画も小説も読めるけど。映像だからってのはでかい気がする。
ちゃんと見た戦争が主題の映画は多分『ジョジョラビット』くらいかな。こっちは第二次世界大戦の話だけどね。帰ってきたヒトラーは入れるべきかどうか迷う。どんくらい苦手かというと『キングスマン ファーストエージェント』『アルキメデスの対戦』内のちょっとした描写でも元気がないとうわーーーーってなってしまう。でも気になるのでいずれかはみたい。他のもね。しんどいから数年に一本しか消化できん。
舞台はそもそもそんなにみてこなかったのもあるけど、映画は割と娯楽目的なのでコメディとかアクションばっかみてる。一番好きな洋画は『ライアーライアー』で邦画は『引越し大名!』の民。

閑話休題。
舞台自体のストーリーも重かったけど、舞台の方が直接的表現がなかったので割と平気だった。
まず気になったのがローラ。おそらく心の性は女性の男性。今でいうとトランスジェンダーに当たるのかな?記憶違いでなければ兄は妹と呼んでいたように思う。
ただ側から見たらエリオットとローラの関係は同性愛に見えるわけで、この舞台の原作者がイギリス人って見た時からタブー的な取り扱いなのかなと思った。
イギリスで同性愛、といえばまず連想するのがオスカー・ワイルドな訳で(偏った認識)、現在のイギリスでは違うだろうが当時は合意があろうと男色は罪だった。だからなんだという話ではある。

この舞台の根底には愛があると思うんだけど、それが一つではなく二種類あると思った。
一つ目はエリオット兄弟の父がそうであったように、辛い現実からの逃避、つまりは死こそ救済的な愛。一緒に死ぬ、もしくは殺してあげる的なもの。
もう一つは反対に、一緒に生きる愛。生きていればこその愛。
エリオットは前者で、ダレンは後者。多分ローラやスピンクスも後者かな。どんなに辛くても、一緒に生きていればこそ。どんな手段を使ってでも、みたいな。
私はしんどい世界嫌だから前者の気持ちめちゃわかる派なので割と前者選びがちな創作してるけど、強さでいえば後者なんだろうな。心中はハッピーエンド派(強めの思想)
エリオットの方が前半強くて、後半はダレンの方が強く見えるのはそのへんだと思う。ダレンの成長とも取れるけど、持っている愛の強さの差かもしれない。エリオットはダレンも殺して自分も死ぬ方が楽だしそれを選ぶ気がする。ダレンは兄に頼ってばかりだけど、絶対一緒に生きる選択をするんだと勝手に思った。
しんどい世界でどう生きるかってのは不変なテーマだし、現在の世界情勢の中でも考えるべきことなんだろうな。

友人にnoteに感想とか書いてるって聞いてそういやアカウントだけとったなと思って開いたら、この下書きを見つけたのでそのまま公開しておく。
(多分見出しとか編集しようと思って放置してた気がする)



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