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老人ホームの入居事例とその支援内容

老人ホームの紹介営業に2年半従事する中で、ご対応させて頂いた様々なお客様を振り返り、一部を抜粋してまとめております。個人が特定されないようにする為、抽象的な内容になっていますが、ご容赦ください。何かヒントになるようなことがあれば幸いです。

①一人暮らし/生活保護新規申請/市を跨いだ転居/

ケアマネージャーから紹介を受けて対応しました。パートナーを亡くされ、お一人で大きなお家にお住まいでした。一人暮らしが不安になってきた為、ケアマネージャーのすすめで老人ホームへの転居を検討されるようになりました。貯金がもうすぐで底をつき、年金額が生活保護水準の為、生活保護の新規申請を行なって老人ホームへ入居することとなりました。事前に現住所の役所の生活保護課に問い合わせを行いました。そして、受け入れ可能な老人ホームの選定を行い、2施設の見学にお連れしました。結果、隣町の新築老人ホームへ入居することとなりました。引越し、処分業者の手配やライフラインの停止、自宅の解約などをケアマネージャーと協力して行い、無事入居当日を迎えることができました。車で送迎後、すぐに転居先の老人ホーム所在の役所へ行き、生活保護新規申請の手続きを行い、入居対応が完了しました。1ヶ月後にご様子をお伺いしましたが、食堂で美味しそうにお食事を召し上がっておられました。

②一人暮らし/自宅売却/お買い物同行/

地域包括支援センターから紹介を受けて対応しました。パートナーを亡くされてからお一人暮らしをされていましたが、だんだん生活に不安を感じてきたとのことで地域包括支援センターに相談されたようです。まだ自立して生活ができるので「施設感が強いところは避けたい」という要望がありました。1つずつ要望を確認し、叶えられるもの、叶えられないものを一緒に整理しました。3施設見学し、最終的には、自立型の老人ホームで横に介護型の系列ホームも併設しているところにご入居されることとなりました。ご自宅の売却のお手伝い。身元保証会社とのお繋ぎなども一緒に立ち会って行わせて頂きました。転居前には、地域のお世話になった方々への手土産を購入したいとおっしゃったため、近くの百貨店までお買い物の同行もさせて頂きました。

③一人暮らし/故郷の近くへ/入居直前に思わぬ方向転換/

パートナーを亡くされ、故郷に帰りたい。というご希望をお持ちの方を地域包括支援センターからの紹介で対応させて頂きました。ご夫婦でお過ごしの頃は生活保護を受給されていましたが、死別されてから生活保護基準を上回り、限られた年金でご生活されていらっしゃる方でした。パートナーを亡くされてから落ち込み精神的にも不安定になっている状況でした。故郷の町は田舎ということもあり、比較的入居費用が安く、話はトントンと進みました。しかし、入居の3日前に事件が起きました。様子を伺いにその方のご自宅へ行った際、「こんなものが入っていた」と年金機構から届いたハガキを渡されました。内容を見てみると、パートナーを亡くされたので、今まで支払われていた厚生年金から加算分が差し引かれるというものでした。入居の話が進んでいた老人ホームへそのことを伝えるとお断りされました。それを知ったご本人はとても落ち込まれました。私は危険だと判断し、地域の民生委員さんに毎日様子をお伺いして頂くよう依頼しました。その間に大急ぎで別の施設をあたりなんとか条件を飲んでくださる施設が見つかり無事ご入居に至りました。

④退職を期に故郷へ/老健退所の期限あり/できるだけ安く/

介護老人保健施設から退所期日が迫っている入居者がいるということでご相談を受けました。奥様が老健に入所中で旦那様はまだお仕事をされていました。旦那様はお仕事を今年いっぱいで退職されるため、それを期に奥様の故郷へ戻る予定でした。そのため、故郷で老人ホームを探すこととなりました。初回にご主人様と面談させて頂いた際に、「この先の見えないお金がとても心配だ」とおっしゃっていました。そのため、老人ホームの地域ごとの相場感や老人ホームで月々かかる費用のシュミレーション、この先10年後、20年後までの料金シュミレーションなど細かく説明していきました。その結果、旦那様の不安も解け、2施設の見学に行くことになりました。そして、奥様のご性格に合いそうな雰囲気の施設へのご入居を決められました。

⑤癌末期/病院から医療対応型老人ホームへ/コロナで面会禁止

癌末期の診断を受けていらっしゃる患者様のご紹介を病院から受けました。奥様とご面談させて頂き、1つずつ不安な点をヒアリングしていきました。中でも大きな不安点が2つありました。1つは、病院がコロナで面会禁止になっているので、最期に立ち会えないかもしれないということ。もう1つが老人ホームの費用面でした。老人ホームでは、面会が可能であること。「末期がん」は訪問看護における別表7の該当疾患のため、その仕組みを活用した医療対応型の老人ホームであれば費用を抑えて入居できることなどをご説明させて頂きました。決め打ちで1件のみご見学され、無事にご入居することができました。


 私はこの仕事で、たくさんの方の人生の選択に携わってきました。本人の想い。家族の想い。介護疲れ。金銭的問題。家族関係の破綻。それだけではありません。老人ホームの経営事情。病院や老健の経営事情。他方向の事情を調整しながら、前へと物事を推進させる仕事は、根気が必要でした。でも、とてもやりがいのある仕事でした。20代前半の期間で、人生の大先輩の大きな選択に携われたことは光栄でした。

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