PermaDeathをクソゲーにしない方法

ローグライクで永続的なアップグレードをするべきか?(Should Roguelikes Have Persistent Upgrades?)

という面白い動画があったので、この動画を見て感じたことをまとめます。

この動画で主張されていることは、ローグライクでの重要なゲーム性の1つである、PermaDeathについてです。
PermaDeathというのは、Permanent Death (永久的な死) のことで、言い換えると「死んだら全てを失う」というゲームシステムのことです。
(アーケードゲームのアクションやシューティングのように、ゲームオーバーになると最初からやり直し、というのもある意味 PermaDeath と言えます)

このゲームシステムがあるから、ローグライクは好きじゃない、という人は多いです。
そのため、親切なゲームシステムを採用しているローグライク、例えば風来のシレンでは、ゲームの終了により「全てを失う」のではなく、途中でギブアップすると、アイテムを持ち帰って次回のゲームプレイに引き継ぐことができたり、死んだとしても特定のアイテムを後から回収できるシステムを採用しています。

他にも、「Rogue Legacy」というゲームでは、プレイするごとにキャラクターのHPが増大したり、アイテムを持ち越しできるシステムがあります。

ただ、動画では、死んだら全てを失うを救済する「アイテムの引き継ぎ」「成長要素の引き継ぎ」システムは、PermaDeathが本来持っているゲーム性を失っている、という指摘をしています。

PermaDeathを採用しているローグライクは、何度プレイしてもゲームそのものの難易度は変化しません。ただし、プレイヤーが繰り返しゲームをプレイすることで、プレイヤー自身のスキルが上昇したり、ゲームに対しての洞察が深まることで、ゲームをクリアできるようになります。

グラフにするとこんな感じ。オレンジの線がゲームの難易度で、プレイ時間に対して、プレイスキルが上昇して難易度のラインを超えればゲームクリアとなります。


それに対して、Rogue Legacyのようにプレイするごとに難易度が下がるタイプはこんな感じです。

とにかく時間をかければかけるほど難易度が低下するので、時間さえかければゲームクリアに近づくことができます。

どちらのゲームシステムが良いかどうかというと、遊ぶ人の好みによる、というところではありますが、多くの人は「目に見える変化(キャラクターの成長など)が楽しい」と思っているとを考えると、Rogue Legacy の方が一般的に受け入れられやすく、より優れているのでは、と言えるかもしれません。

ですが、PermaDeathにしかない良いところがあります。
* 死んだらすべてを失うので慎重なプレイを求められる(=緊張感のあるゲームプレイ)
* 成長要素の持ち込みができると、大雑把なプレイでもクリアできてしまい緊張感が少ない
* プレイするほど難易度が下がると、ゲームに遊ばされている感がする
* PermaDeathはプレイヤースキル依存なので、先に進めるようになるとプレイヤー自身の成長が実感できて、クリアしたときに得られる達成感が高い

■進捗感を得られる PermaDeath にするには

「成長要素の持ち込み」ができるゲーム性は、HPの増大やアイテムの増加など、目に見える進捗感が得られるメリットがあります。
PermaDeath では「死んだらすべてを失う」ので、死んでしまうと「無駄な時間を過ごした」と感じるのが大きな欠点です。

ですが、PermaDeathでも、こういった進捗感を得られるゲーム性に近づけることができます。

1. ゲームプレイの幅を広げるアンロックを用意する
2. 見た目だけを変化するアンロックを用意する

例えば、「Nuclear Throne」ではゲームを進めると新しいキャラクターをアンロックできるようになります。この新しいキャラクターは既存のキャラクターの単なる上位互換としてゲームの難易度を下げるのではなく、遊び方の幅を広げるために存在しています。
また、「Downwell」では、ゲームの色彩をゲームボーイ風のカラーリングにするためのアンロックが存在します。

こういったアンロックを用意することで、目に見える進捗感を与えることができる、というのはこの動画の主張となります。

あと、個人的にローグライクを作ったときに思ったことですが、「実績」というのも進捗感を与えるのに有効なのではないかと思いました。
* 〇〇フロアに到達した
* レアアイテム「〇〇」を獲得した
* お金を10000円所持した
などなど。


さらに、プレイログを残せるようにするのも良いです。
* プレイ回数
* トータル敵撃破数
* 死亡原因をログに残す(15Fでダークナイトに殺された、など)
これらにより、「死んでも、そのプレイであなたは無駄な時間を過ごしたわけではないですよ」ということを明示できるわけです。

■まとめ

今回のまとめは以下の通りです。
* PermaDeath でしか得られないゲーム性がある
* PermaDeath は進捗感が薄くなってしまうので、それを解消する仕組みが必要
* 難易度にあまり影響を与えないアンロック・実績・プレイログは、PermaDeath が本来持っているゲーム性を損なわずに、プレイヤーに進捗感を与えることができる

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

5

しゅん

ゲームデザイン記事まとめ

ゲームデザインに関する記事をまとめたものです