旬果放浪記

「旅するパティシエ」 旅で出会った素材、生産者、地域について感じたことを綴ってます。 …

旬果放浪記

「旅するパティシエ」 旅で出会った素材、生産者、地域について感じたことを綴ってます。 果物の収穫からジャム作りまでを現地で行う「ジャムの旅」進行中。 好きな本や山登りのことも…。 https://linktr.ee/Yusuke.Kokubo

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朝食のお話

朝食はパン派です。 ご飯に味噌汁と納豆も大好きなんですが、 (人生の最後に何が食べたい?と聞かれたら必ず「納豆‼︎」と答えてきた) 基本的にはトーストした食パン、バター、ヨーグルト、シリアル、インスタントのブラックコーヒー。ほぼ毎日これです。 自分で「ジャムの旅」を始めてからは、これに季節のジャムが加わりました。 今までジャムってあんまり積極的には食べてこなかったんですが、ここ1年くらいは毎朝必ず食べています。 どんなジャムもバターと一緒に食べれば最高に美味しくなる。 (

    • もっとゆっくりでいいんじゃないか?

      便利だ。ほんとに便利。 今はLINE、メッセンジャー、メールなんかですぐ連絡が取れる時代。 連絡が取れない。待ち合わせで会えない。 なんてことはほぼない世の中。 情報も人間関係も、あらゆることがスピードアップ。 そのスピード感は楽しいし、刺激的ではあるのだが、 「そんなに急いで僕らはどこへ向かうんだ?」 って感じる時もある。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 僕がベルギーのパティスリーで働くために日本を離れたのが、ちょうど2

      • 「ジャムの旅」〜湘南テロワール〜

        書くのを2ヶ月サボってしまった…。 ますます「いいね」がつかなくなるぞ。 さて…。 春のように暖かかった2月中旬。 旬の柑橘「湘南ゴールド」を収穫しに神奈川県二宮町へ。 採れたての果実でジャムを作る「ジャムの旅」だ。 今回は少し思考を変えてこんなアプローチ。 同じ土地で育った食材の相性を考えて作った商品。 「湘南テロワール」 テロワールって? 僕もちゃんと説明できないけど、なんか響きがいいからつけてみた。 「風土の、土地の個性の」的な意味らしい。 ワインを語

        • やっぱり世界を元気にしてるのは女性だ!

          今年初めの「ジャムの旅」は2月から。 柑橘の旬、真っ只中の愛媛県宇和島市と愛南町に行くことにした。 宇和島を訪ねるのはちょうど2年ぶり。 もう2年か…。時が経つのがほんとに早い…。 お目当てはもちろん「ブラッドオレンジ」。 ちょうど最高の時期だ。 生産者の児玉恵さんと久しぶりの再会。 でも「先週も会ってたよね」的なあいさつ。 なごむ。 ふっとリラックスできる雰囲気を持っている人だ。 それが僕にとってはめちゃくちゃ嬉しいし、また会いに来たくなる。 訪れた時期はブ

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          不思議な縁だ…

          ようやく冬らしい寒さになってきた。 次の「ジャムの旅」を考える。 どこに行こうか…。 これからは柑橘の旅になるんだけど、僕の中で柑橘といえばやっぱり愛媛県なんですよ。 レモン、みかん、ブラッドオレンジ、河内晩柑などなど。 さすが「柑橘王国」。 おそらく一番頻繁に訪れている県のような気がする。 愛媛に初めて訪れたのは7年前の8月の猛暑日。 あまりに暑かったのでよく覚えている。 もともと1泊2日で長野まで登山に行く予定だったんだけど、前日の天気予報は100%の雨とい

          不思議な縁だ…

          「そりゃ、怖いよ…熊は。」

          10月下旬。 残暑が長くて暑い秋だがりんごの季節だ。 青森行かなきゃ。 「熊出ますよ、マジで。」 りんご農家、おりかさ蜜ツ星農園の成田晃さんに言われて、今年はりんご畑でのテント泊を諦めた。 熊には勝てん。 りんごの甘い香りで目覚めるという素敵な朝はおあずけだ。 今年は全国で熊の出没が大きなニュースになっている。 襲われている人も少なくない。 旬果放浪記のロゴはかわいいクマさんだけど、本物はそうはいかない。 恐ろしい動物だからできればお会いしたくない。 なので今年は

          「そりゃ、怖いよ…熊は。」

          湘南オリーブオイルっていいね!

          あまり知られてはいないが、神奈川県の湘南エリアはオリーブの産地でもある。 有名なのはやっぱり小豆島のオリーブかな。 あるお仕事のご縁でここ1年くらいはよく湘南に来ている。 もともと近くの丹沢には山登りによく来ているから土地勘はある。 山も近くて海も近い。 小高いオリーブ畑からは相模湾がきれいに見える。 反対側には富士山も。 自然好きな僕にとっては理想的な場所じゃないか。 10月中旬、ちょうどオリーブの収穫真っ只中のファームビレッジ湘南さんにおじゃました。 相模湾を

          湘南オリーブオイルっていいね!

          「26年も続けてるのに、まだ難しいな…。」

          昔、ヨーロッパのパティスリーで働いている時、そのミルフィーユの美味しさに感動した。 ザクザク、ほろほろのパイ生地に濃厚なバニラのクリーム。 毎朝、ミルフィーユの仕上げ担当だった僕は、切れ端を爆食いしていた。 幸せな仕事だ。 思い返してみたら、この仕事を始めた1年目は業務用のパイ生地を仕入れて、それでお菓子やデザートを作っていたな。 忙しい都会のホテルだったから、一から手作りはできない環境だった。 パイ生地の作り方なんて知らなかった。 当時のシェフに、 「パイ生地って

          「26年も続けてるのに、まだ難しいな…。」

          祝・3年連続4回目!!

          今回で岡山への「ジャムの旅」は 3年連続4回目。 (甲子園の出場校紹介っぽい…) もう来たというより帰ってきた感が強い。 迎えてくださるブリガーデンの原田さん、山下さんも「昨日も会ってたよね。」くらいの温度感。 さっそくいちじく担当の山下さんに、今年の黒いちじく「ビオレソリエス」と、白いちじく「蓬莱柿」の状況を見せていただく。 今年は雨が少なくて暑かったせいか、白いちじくの収穫数がいまいちだと…。 黒いちじくはまだまだ元気な実がなってるな。 どの作物もどの地域も天

          祝・3年連続4回目!!

          「ジャムの旅 〜栗〜」

          秋の「ジャムの旅」スタート! っと言ってもまだまだガッツリ真夏日の9月中旬。 栗の産地、埼玉県日高市の武州農園さんを訪ねた。 知ってました? 埼玉に栗の産地があるなんて。 僕も去年、縁あって視察させていただいて初めて知った。 こんなに近くに栗の産地があるなんて嬉しいな〜。 2年前は高知の四万十町で栗ジャムを作ってきたけど遠かったな〜、あの時は。 「しまんと地栗」っていう立派な栗を使わせていただいた。 いい思い出だ。 都心から車で1時間半ほど、日高市の住宅街に武州農園さ

          「ジャムの旅 〜栗〜」

          「びしゃびしゃのブランデーケーキ」

          「古典とケーキ」 この本を読んでブランデーケーキが作りたくなった。 古典の小説家や登場人物の世界観と重ね合わせて、筆者が作ったお菓子が出てくる。 面白い視点の読み物だ。 「おかん、ブランデーケーキ好きやわ。昔っぽいブランデーびしゃびしゃのやつ。」 昔、よく母が言っていたな。 たまに思い出すが作ってあげたことはない。 子供の頃、料理人の父がたまに持って帰ってきたブランデーケーキやウイスキーボンボン。(ちょっとエッチなチョコレートもあったな…) 絶対食べられないのに毎回必ず

          「びしゃびしゃのブランデーケーキ」

          沖縄の小麦「島麦かなさん」

          昨年、「ジャムの旅」で沖縄を訪れた際、沖縄産の小麦粉が売っているのを目にして驚いた。 小麦粉という素材はパティシエにとって、日々触れるものであり、あまりにも身近過ぎてあまり深く考えてこなかった。 若い頃から現場では一般的に流通している「バイオレット」と呼ばれる業務用薄力粉をメインで使ってきた。 パン職人がよく言う「粉の味がしっかり出ている」的な言葉も正直ピンとこない…。 ならば麦畑に行って実際に小麦の生産現場を見せてもらおう、と思い今年4月に沖縄へ向かった。ちょうど収

          沖縄の小麦「島麦かなさん」

          「最高のバイプレイヤー」

          「信州サワー」「ハーコット」「信州大実」「信月」 これ全部あんずの品種の名前なんですよ。 たくさんあるね。 品種によって煮崩れしやすかったり、生でそのままでも美味しかったり。 国産のあんずはほとんどが長野県産。 僕は長野市の千曲川近くの「やまさ農園」さんからいただいている。 園主は関博文さん。 関さんとは長い付き合いだが、2019年の豪雨災害では大変な被害を受けた。 その時には大切なりんごやあんず、桃の木が泥に埋まった。 ショックだった…。 そんな自然の厳しさに直面

          「最高のバイプレイヤー」

          山形。やはり今年も熱かった。そして旨かった。

          去年は関東の梅雨入り当日に出発したのを覚えている。 今年も山形への「ジャムの旅」もやはり雨だった。 しかも大雨だ。 まあ、梅雨の時期ですからね…。 首都高から常磐道に入るとすぐに通行止めで高速を降ろされた。 「あ〜もう何だよ…」 やっぱり東北道に乗れば良かった。 一般道に降りて、気を取り直して東北道へ向かう。 それにしてもすごい雨だな。 ラジオから冠水被害のニュースが流れる。 東北は大丈夫なのかな。 さくらんぼは無事かな…。 そんな心配をしていたが宇都宮を過ぎたあた

          山形。やはり今年も熱かった。そして旨かった。

          「山」「海」「空」すべて繋がっていた。

          「ミツバチの生息しやすい環境をいかに保つか。あくまで蜂蜜はその過程で生まれる副産物なんです。」 そう語るのはミツバチと継続的な関係を築き上げ、その地域で共存していく努力を続けておられる養蜂家の長生博行さん。 柑橘栽培の「山」、漁業の「海」の仕事を経て、今は養蜂の「空」と向き合う。 自然の摂理、循環を知り尽くしたエキスパートだ。 以前は釣船の案内人もしていたとか…(面白い人だね) とにかく養蜂を取り巻くあらゆる環境に精通している。 松山空港から車で2時間半、四国最西端の

          「山」「海」「空」すべて繋がっていた。

          100%キャッシュレスな旅

          「いつ現金使えばいいんだ?」 オーストラリアへの旅、1週間滞在したが結局最後まで現金を使う機会がなかった。 カフェでバーガーをかぶりついた時も。 ブリュワリーでクラフトビールを堪能した時も。 ファーマーズマーケットで新鮮な野菜、果物を仕入れた時も。 リムジンバスでシドニーとキャンベラを往復した時も。 博物館でアボリジニの歴史を感じた時も。 どんな場面でもスマホのApple Payで簡単に支払いができてしまった。 「楽だな〜」 パブ(日本でいう居酒屋のようなとこ)に行

          100%キャッシュレスな旅