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250.紅葉と鷹と潮干 ~”そうはならんやろ”と思った話

ごきげんよう。
あったかいと涼しいを行ったり来たりして、最近はぐっと気温も下がってきましたね。

お月見の時期も過ぎ、これからのシーズンの季節ものといえば……?

ハロウィン🎃?

それもありますが、もっとこう、日本古来の…

紅葉🍁?

そう!それ!

紅葉狩りです。

紅葉を…狩る?

秋、鮮やかに紅葉した樹々が並ぶ様子はキレイですよね。

最近はなかなか行けてませんが、僕も関西に住んでいた頃はよく紅葉狩りに行ったものです。

それはそれとして。
さっきから何気なく「紅葉狩り」「紅葉狩り」って云ってますが、改めて見てみるとこの表現、変じゃないですか?

「狩り」て。

鑑賞するのを狩りってお前・・・

じゃあ、春のお花見は「桜狩り」とかいうか?
聞いたことないですよね。

なんで紅葉だけ「狩り」なんでしょう。

そう思ってググってみると、意外なことがわかりました。

収穫することだけじゃなかった

意外なことというかまあ見出しの通りなんですが、
要するに「『狩り』という言葉は狩猟や採取だけでなく、草花などを鑑賞したりするという意味でも使われる」ということです。

そこら辺の由来などについては、こちらのWEBページに色々詳しく書かれているので、気になる方は読んでみてください。
面白かったです。


そして何と、古来は桜を見ることも「桜狩り」と表現していたらしいです。

ただの無知でした。ぎゃふん。

納得いかない「〇〇狩り」たち

そんなわけで紅葉狩りに対する疑問は(僕の無知も露呈しつつ)一応は解消したわけですが、

だとしても、そもそも〇〇狩りって言葉は総じておかしいと思います。

だってですよ、
ぶどう狩りやいちご狩りはぶどうやいちごを「狩る」というのは感覚的にわかる。
紅葉狩りも、まあ、鑑賞することを「狩り」というなら、紅葉を狩るということでいいでしょう。

だけどさ、鷹狩りはどうなる!?

鷹を狩るわけじゃなくて、鷹「が」狩るよねあれ。

ほかにもあるならまだわかるよ。
でも、例えば「犬狩り」とかいうか?

…と思って調べたら「犬狩」という言葉はありました(またか)

いぬ‐がり【犬狩】
〘名〙
① 平安時代、蔵人(くろうど)が滝口(たきぐち)、所衆(ところしゅう)などを従えて宮中に住む野犬を追い払う行事。
※侍中群要(1071)一〇「犬狩事。無二仏神事一之時并休日御物忌等之間、随レ仰召二仰左右近陣官一行レ之。滝口等相二従一レ之。蔵人等追二御所犬一、所二狩獲一併召二左右衛門官人一令レ放二流一レ之」
② 近世、奈良において毎年初夏、神鹿(しんろく)の分娩期に、生まれてくる子鹿が犬に害されるのを防ぐために、奉行所から布令を出して野犬を追い払わせたこと。
※多聞院日記‐天正七年(1579)五月三日「犬かり在レ之」
③ 狂犬や野犬を組織的に捕殺すること。
※制服(1970)〈加賀乙彦〉二「特警隊を中心に大掛りな犬狩りが行われた」

コトバンク(出典 精選版 日本国語大辞典)

でもですよ、これは犬「を」狩るものでした。

うん、やっぱ鷹狩りがおかしいよ。

もっとわからんのが、

「潮干狩り」です。

だってですよ、
考えてみたら「潮干」ってなんやねん!!!
じゃないですか?

一応また辞書ひいてみましょう。

しお‐ひ〔しほ‐〕【潮干】
1 潮が引くこと。ひき潮。また、潮が引いて現れた砂浜。
2 「潮干狩り」に同じ。《季 春》「―より今帰りたる隣かな/子規」
「友達同志の無邪気な遊事の有様や、弟等と―に行ったことや」〈宙外・独行〉

コトバンク(出典 小学館デジタル大辞泉)

こういう意味かー。

いくつかのサイトによると、この潮干を利用してアサリやハマグリなどを獲る(=狩る)ことから「潮干狩り」と呼ばれるようになった―
などと記述されていますが、

いやー、ちょっと無理ない?

鷹狩り=鷹「が」狩る

も相当だったけど、
こっちはまだ、たまには狩る側を主体にした名称もまあ、あり得はするな、と思えないことはないですが

潮干狩り=潮干「を利用して」狩る

そうはならんやろ!

まあ、「なっとるやろがい」という話なのですが。

これだから、日本語ってやつは
面白いですね!

何はともあれ、今シーズンは久しぶりに紅葉狩りにも行きたいところです。

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