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蛇神(竜神)と牡牛神の争い

 岩手県釜石市生まれで、盛岡市在住の高橋克彦先生は、東北地方を舞台とする小説を多く書いておられ、代表作に1993~1994年NHK大河ドラマの原作となった歴史小説『炎立つ』、アクション伝奇小説『総門谷』『竜の柩』などがあります。浮世絵三部作は2025年のNHK大河ドラマの予習になりそうです。

 『竜の柩』は、蛇神(竜神)と牡牛神の争いを描いた小説です。【以下ネタバレ】
 世界で最も広まっている宗教はキリスト教で、その根底には牡牛信仰があります。日本の牡牛信仰といえば、ツヌガアラシト(加羅国王の息子・都怒我阿羅斯等)、牛頭天王(高天原から追放されて新羅国の曽尸茂梨(そしもり)に降りたスサノオ)ですね。
 蛇はキリスト教(ユダヤ教)では、エデンの園でイブに知恵の樹の実(禁断の果実)を食べるよう誘った悪魔ですが、日本では龍に変化して、水神とされています。

 竜神信仰者と牡牛神信仰者は世界各地で戦っており、日本での戦いは、八岐大蛇 vs スサノオとして描かれています。
 古代日本人は、蛇(水神)を信仰していました。そこに朝鮮半島から、加羅国のツヌガアラシト、新羅国のスサノオといった牡牛を信仰している人々が侵攻してきました。

 「侵攻」と言うと、悪い意味にとられがちですが、「製鉄法などの新技術の伝播」(知恵の樹の実(禁断の果実)を食べさせる)ということです。
 蛇はキリスト教(ユダヤ教)では、エデンの園でイブを誘い、人間に知恵を与えています。その結果、人間は追放されました(「失楽園」)。これは、蛇信仰に感化されたので、牡牛信仰の地から追い出されたということでしょう。(とすると、キリスト教(ユダヤ教)の神は牡牛か?)

※キリスト教(ユダヤ教)の神の名:聖四文字「YHWH」「JHVH」(そのまま読むと「イェホワ」)に省略された母音を補った「ヤハウェ(Yahweh)」とか「エホバ(Jehovah)」が神の名だという。キリスト(救世主)とは、神の子・イエスのことで、父なる神の教えを広めた。(父と子と聖霊は一体ともいう(三位一体説)。)

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