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eighterの私をトラジャ沼に引きずり込んだ友達は嵐担でV6担だった

2021年8月。時計の針が、25日に変わったことを知らせると同時にそれは突如として世に放たれた。

そう、全てのトラジャ担が真夜中に大混乱に陥った「+81 DANCE STUDIO」である。

何が起こっているのか全く分からなかった。あれこれと憶測が飛び出し、うとうとしていた頭は完全に冴えた。

電話の発信音から始まる少年隊の「バラードのように眠れ」と、TJを模した+81のロゴ。+81というのは、言わずもがな日本の国際電話の国番号である。つまり、日本から世界に発信するよ、ということか。

何も分からないが、彼らがこれから想像もつかないような新しい世界へ旅立とうとしていることだけは分かった。

そして今年何度目かの「Travis Japan」トレンド入りは朝になっても続いていた。

「ジャニーズ帝国の崩壊」は本当なのか



SMAPファンの母のおかげで、幼い頃からジャニーズをみてきいて育った。初恋は滝沢秀明。初めて買ったCDはKinKi Kids。気がつけば関ジャニ∞のファン・eighterになり、内博貴の脱退により「自担がいつまでもいると思うな」という教訓を得た。

それからひたすら錦戸担を続け、15年を超えたある日。私はその頃もう「これからのジャニーズ」というものを考えなくなっていた。

SMAPが解散し、タッキーと翼が表舞台から消え、退所するタレントも増えた。自担グループは今や5人になった。ここ数年続いた様々な衝撃は、ジャニー喜多川氏の急逝とともに「ジャニーズ帝国の崩壊」を予感させた。

2019年8月8日のことは、今もなんとなく覚えている。Snow ManとSixTONESが同時デビューすることが決まったというニュースがタイムラインに流れてきた。
「最近Jr.がすごいらしい」という話は聞いていたが、特に詳しかったわけでもなく「何年かに一回Jr.がすごい時期があるんだな」という印象だった。

私はJr.黄金期世代。とうの昔にJr.担は卒業したし、もう好きになることもないと思っていた。何せ彼らはもう5歳以上年下だ。ずっと年上の「かっこいい大人」を追ってきた私にとって、年下はなんの魅力も感じなかった。

だから、ほんの興味本位だったのだ。SixTONESの「JAPONICA STYLE」を観たのは。

すぐに引き込まれた。ありし日のKAT-TUNのようなカリスマ性をもった彼らの中に、見覚えのある子を見つけた。

”京本大我”は、関ジャニ∞のライブの定番「エイトレンジャー」に出演していたあの小さい男の子だった。

私はすぐさま、嵐担兼V6担の友人に報告した。「SixTONESすごいよ」と。
彼女は嵐の活動休止を受けて、その気持ちを埋めるかのように次に応援するグループを探していたのだ。

「わかった、見てみるね〜」そういって友人は嵐の勇姿をその目に収めるべく、翌週カウコンに旅立っていった。2019年の暮れのことである。嵐ラストイヤーに向けての準備運動だと、私はカウコンの感想を楽しみにしていた。

帰ってきた彼女が、嵐の感想とともに「カウコンですごい子たち見つけた。ごめん、お願いだからこの動画観て」といって勧めてきたのがJr.チャンネル木曜日の再生リスト。それが私のTravis Japanとの出会いだ。

※ちなみに友人は2021年のV6の解散により、トラジャに二度も人生を救われることになった。感謝してもしきれない。

これを見たときの衝撃は今も忘れない。「JAPONICA STYLE」とはまた違う感情だった。こんな子たちがデビューも決まっていないJr.だということが信じられなかった。

「ジャニーズ帝国の崩壊? 何を言ってんだ? どこに目をつけてるんだ?」

長年追いかけつづけていた「ジャニーズ事務所」が、「Show must go on」が、そこにあった。いや、正直このレベルは見たことがない。「ジャニーズ帝国は崩壊じゃない。新時代を迎えるんだ」と思った。

そして激動の2020年が幕を開けた。

「Travis Japan」という名前の可能性



2021年7月31日に放送されたBSフジ「EP.3:Techno~ Travis Japan × PIKOTARO」で古坂大魔王さんは「世界の人からアジア人は一緒に見えるから、グループ名に”Japan”があるのはいいね」といっていた。

私たち日本人からしても欧米人、アフリカ人、南米人、中東人など近い民族の顔はあまり区別がつかない。確かにその通りだと納得する。
彼らは世界に出る、という目標を掲げているがその時に一目で「日本」のボーイズグループだと分かるのが「Travis Japan」という名前のおかげだ。

そこで「Travisって何だ?」と興味を持った人がトラヴィス・ペインという振付師が名付け親だと知るかもしれない。しかもマイケル・ジャクソンやレディ・ガガを振り付けたヤバいレベルの人だと。そんな人に認められたグループなのだと。

つまり彼らは「Travis Japan」というグループ名だけで、自分たちが「日本人」で「ダンスパフォーマンスが売り」であると伝えることができるのだ。

そんなグループが今まであっただろうか。
今世界で大人気のBTSですら、以前は防弾少年団という名前だった。Travis Japanはこれから世界進出をする上で、2012年の時点から変わることなく既に世界で戦える「武器」を手にしていたのである。

Travis Japanと21世紀型の社会



これからの時代、求められるスキルはどんどん上がっていく。それはジャニーズも例外ではない。

いつの頃からか、かつてグループに一人はいた「ダンスが苦手」「歌が下手」というメンバーが目立たなくなった。全員がオールラウンダーとして活躍していなければ、土俵に上がることすら許されない雰囲気になった。

これまでの常識が全く通用しない社会で活躍するために必要といわれる、21世紀型スキルを一部抜粋すると、ざっくりこんな感じ。

・創造力、イノベーション
・情報、ICTリテラシー
・コミュニケーション力、チームワーク
・世界の文化の理解と適応を含む個人的、社会的責任

え、これトラジャじゃね?

と思ったよね。やっぱ思うよね。大正解だよね。私はここに、Travis Japanの可能性と期待をみたのだ。

手話、パラマニア、トリリンガル、ジェンダー。自身もオランダ人の血を引く川島如恵留は非常にわかりやすい「ダイバーシティ」のアイコンで、発信力はメンバー随一。”貴女”ではなく”貴方”、”彼女”ではなく”恋人”と表記したり、「Happy Groovy」の歌詞、”Boys and Girls”を”Hey you guys”に変更したのは記憶に新しい。
七五三掛龍也は公式で「かわいい」を貫いたり、ビジュアル維持に関する発言をすることによって「男の子が可愛くても、美容に興味があってもいい」という概念を(無意識かもしれないが)打ち立てている。さすが兄組。色付け、キャラ付けがうまい。

仕事人・宮近海斗、アイデアマン・中村海人、アーティスト・松倉海斗のトリプルカイトは創造力、イノベーションという面で群を抜いている。
性格や考え方もバラバラな三人の世界観は全く異なりながらも、それぞれの持ってくるものは必ずTravis Japanにぴったりと当てはまる。この辺りは大好評のBSフジのダンス6時間企画を見てほしいし、Youtubeチャンネルでもこの三人の発言がよく拾われてるのも分かる。よく見てるのだ、トラジャを。

今世紀最大のコミュ力お化け松田元太の能力は、堂本光一くんや藤岡弘、さんを「パパ」呼びする時点で分かってもらえるし、優しさの塊の吉澤閑也はメンバーや後輩だけではなく「リアコ枠」「他担狩り」と言われるほど、ファンへの愛や思いやりがすごい。
元太は、まちゅと「どうやって世界へ発信していくか」で大喧嘩している。さすがYoutubeで育ったデジタルネイティブ世代。しーくんの振り付けだって、並大抵の努力でできることではない。

何より、幾度となく立ちはだかった壁やぶつかり合いを乗り越えて「家族」であり「戦友」であるTravis Japanのチームワークは世界を相手に戦えるほどのものがある。

こうして出来上がった「21世紀型社会で戦えるTravis Japan」はだんだんと世間に、というか企業に見つかり始めている。Travis Janpanへの案件や起用を見ていると本当に様々な企業のオファーがあるなと思う。エスティローダーやGIVENCHYの口紅は例えば「彼女につけてほしい色」など女性へ向けてではなく本人たちがつけたし、ANEVERはブランド初の男性アーティスト起用だった。

その理由が「ジェンダーフリーでアイテムを着用してほしい」で、これはまさに「これからの時代を象徴するアイコン」としてTravis Japanが選ばれたことを表している。そしてキラキラスマイルが仕事であるアイドルが、無表情で見事に「商品をもっとよく魅せること」に徹する姿に息を呑んだ。トラジャ、すごいわ。脱帽した。こんなすごい逸材が眠ってんのかジャニーズは。

+81 DANCE STUDIOとは何なのか



話をようやく冒頭に戻す。

全トラジャ担を夜中に叩き起こし、水曜日なのに寝不足で仕事や学校に向かわせた罪深き新プロジェクト、「+81 DANCE STUDIO」。

この動画をよく見たら気づくのだけれど、ここに挙がっている曲は全て解散、休止、脱退、退所といった理由で「今はもう全員揃ってそろって歌うことが叶わない」という曲ばかりである。

ここで、この方々のファンである方も興味を持つだろう。現に私の母は、賛成コンの「STAY」を聴いて、SMAPの歌がこうやって歌い継がれていくのは嬉しいと泣いていた。

そしてジャニーズ事務所の創立記念日である1975年1月23日から、現在まで継がれてきた伝統を壊すことなく、新たな時代へ繋いでいこうという「JOHNNY'S CLASSICS」という文字。

文字通り、Travis Japanはジャニーズを背負って、日本のエンタメ界から世界を目指そうというのだ。「世界を目指す」という言葉がこんなにずっしりと感じられたのは、この日が初めてだったかもしれない。

同時に、ファンも腹を括らなければいけないなと思った。

これから彼らは地産地消ではなく、海外に行く。そうなった時、ファンはどうやって彼らを応援すればいいのだろう。

K-POPは今や世界で人気のアーティストになったが、それには公式だけではなく、ファン独自の広報があったそう。肖像権アウトだろ、みたいな話も聞くけれど、法律の範囲内でどう広めていったらいいのだろうか。

Travis Japan is great ! They are so cool ! だけではダメなのだ。何がどうすごくて、どこを見てほしくて、ファンはこういうところが好きで、どうして彼らがクールなのか。きちんと伝えていかなければならない。

だって世界で戦うんだから。言わなきゃ分かんないよ。見つけてもらえないよ。

ワクワクすると同時に危機感を持った。彼らはどんどん進んでいくのに、ファンはこのままでいいのか、と。これからどうしたらいいのか、ちょっとだけ怖くなった。

2021年9月4日。正午、ついに第一弾が公開になった。急上昇3位にまで上がり、トレンドに入り続けた。

どんな”クールジャパン”のTravis Japanがみれるのかと、ドキドキしながら再生ボタンを押すと最初から度肝を抜かれた。

そこにいたのは「いつものトラジャ」だったのだ。

わちゃわちゃして、楽しそうで、ニコニコして、仲良しで。ルーティーンのハグをして。

あぁ何だ、背負い込みすぎてたのは私だけだったのか。彼らは最初からそのままで戦うつもりだったんじゃないか。「これがTravis Japanだよ」とありのままの姿で。

こんなに楽しく踊ってるのに、何故だか涙が出てきた。カッコつけすぎないことがカッコいいんだと、彼らはいつもそうだ。

関ジャニ∞もそういう人たちだった。
ちょうどトラジャに出会った頃、心が折れそうになり、もう関ジャニ∞から離れようかと思った時期にeighterとしてのアイデンティティを思い出させてくれたのはトラジャだった。だから私はあの日、内博貴、渋谷すばる、錦戸亮、そして関ジャニ∞をそれぞれ変わらず応援しようと決意したのだ。


この動画は最初に9回観ないと一つ目の感想が出てこない。のえるくんの見方と同じく、まずは全体、次に一人ずつ、そしてもう一度全体。これから述べるのは、その”一つ目”の感想である。

シンクロが売りの彼らのダンスは「個性がない」ともいわれていた。最近なんとなくそれに変化が現れていると思っていたが、この動画ではこうも分かりやすく変わっていたんだと気づかされる。誰が誰だか、多分シルエットで分かる。それほど個性に溢れていた。

それぞれの食材がしっかり主張して味があるのに、合わせればいい出汁が出て調えたら美味しくなったスープような。トラジャとダンスって、やっぱり相性が良い。

7人の個性が光る2分34秒



やっと本題に入ります。ここまで長々とありがとうございました。

左から順番に感想を述べようと思います。

まちゅは純真。ニコニコしながら、小さい身体の全身を使って大きく動くことで「楽しい!」を表現している。途中口ずさんだりしながら、大好きな嵐の曲で踊るのが嬉しくて仕方ない!って感じが伝わる。

しめちゃんは妖艶。あのしなやかさ、艶やかさは「とおりゃんせ」から爆上がりしたような気がする。特に手足の伸ばし方、関節の動かし方や角度は色気が抜群。エロさでしめちゃんの右に出るものなし。

しーくんは実直。すべての動きが丁寧で綺麗でお手本のようだけど、むしろそれが個性になってる。コレオグラファーらしく、基本に忠実に踊っているから、このまとまりはしーくんのおかげで出ている気がする。

ちゃかは悠然。個性があるわけではないけど、真ん中でドンとして芯がしっかりしてるから皆の動きを支えててザ・リーダーって感じの踊り方。でもUSAのフリを入れてきたりお茶目さを足すのがちゃかだなぁ。

のえるくんは端麗。所作の一つひとつがほんっとに王子様みたいに綺麗なのに、アクロバットをここぞというときに入れてくるから映える。賛成〜!の前に手伸ばしてくれたの優しい。仲間に入れてくれてありがとう……。

うみは自由。最初から最後まで中村海人。ダンスはもちろん、こういうパフォーマンスで色を添えてくれるのがうみ。オタクの大好物、フードと腹チラをありがとう。自己プロデュースが天才的にうまい。

元太は軽快。元太のダンスって元太が喋ってるみたいに爽やかで軽やかで。腰の入れ方と脚の引き方が特に好きなんだけど、カウントから全くズレないから音がぴったりハマってめちゃくちゃ気持ちいい。

Travis Japanに自分の夢を重ねて



さて、驚異の7000文字に近づいているけど、ここまで読んでくれた人いるのかな……。本当にありがとう。お疲れ様……!目、休めてね……。

Travis Japanは見れば見るほど沼が深くて、ハマればハマるほどグループ担になっていく。きっと一押しのメンバーはそれぞれみんないるんだろうけど、トラジャ担は箱推し!っていう人が多い気がしてる。正直ライブでどの団扇持っていいのか悩むぐらい、全員魅力に溢れてて困るんだな。

「僕たちは世界デビューを目指してます」。私はファンになりたての頃にこの言葉を聞いたとき、正直あまり本気にしてなかったというか、今でこそ言えるけど「口ではなんぼでも言えるよなあ」と思っていた節もあった。

でも今は違う。この人たちは、世界を本気で目指してるんだ。しかもありのままの姿で。

賛成コンを見たときに確信した。全然まだまだ、デビューのレベルじゃなかったんだって。タッキーやっぱ見る目あるわって。
だって伸びがえげつないのよ。去年のENTERと全然違う。このポテンシャルは、もしかしたらデビューしてたらここまでになってないかもしれない。怖い。トラジャどこまで伸びるの。恐ろしいよ。

もちろん今勉強している英語や中国語はもっと勉強しないといけないし、ダンスのスキルや歌の技術ももっと磨かないといけない。世界にはこのレベルは山ほどいる。

でも今なら本当に世界に行けるって、本気で思う。なぜなら彼らが本気で世界を目指しているから。

そんなバカみたいな、子どもみたいな理由だけど、ファンが信じてあげなくて誰が信じてあげるの? 「ジャニーズの若手が育ってない」って言ってる世間をどうやって黙らせるの? トラジャが世界に行かなくて誰が行くの?

Travis Japanは強い。

「いつまでも楽しませる」「絶対俺らについてこいよ!」「とりあえず信じてみな」といえる強さを、今の彼らは持っている。それはきっと前にはなかった彼らの強さ。何度も味わった挫折、8.8での涙、高い壁を一つ一つ乗り越えてきたからこその無敵感。今まだデビューしてないからこその闘魂。

そうやって、トラジャとトラジャ担は、ともに支えあいながら輝かしい未来を目指していくのである。


Travis Japanを信じて。

ついていって。

いつまでも、いつまでも。

楽しんじゃっても、いいですかっ!

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