はじめてのインターネット


はじめてのインターネット……ウッ頭が……。



私は今年28歳になったのだが、中学生の頃、つまり15年ほど前……(書いてて吐き気がしてくる数字だな)。家にWindowsMEという、今となっては化石として博物館に展示されていてもおかしくないようなパソコンがあった。
おそらくは母が、父の仕事の経理をする用に購入したパソコンなのだと思われるが、私はペイントでお絵かきをしてみたり軽めのネットサーフィンをして遊んでいた。もちろん、母が仕事をしている時は触ることができなかった。

どういうきっかけだったか、学校の友人が掲示板を作って遊んでいることを知った。当時、既に2ちゃんねるなどの掲示板サイトは存在していたと思うが、友人はそれに乗っかって「使っている」のではなく、おそらくHTMLを打ち込んで「作って」いた。
自作の絵を投稿したり、くだらないことを書いたり、とにかく平和だった。いわゆる「学校掲示板」として問題になっていたような暗い世界とはかけ離れていて、作っている子の承認がないとサイトに入れない・匿名は不可だったこともあり、のほほんと放課後の時間をインターネットで楽しんでいた。当時は携帯電話を持っていてもメールをする程度で、1対1以外のコミュニケーションをするのは新鮮な体験だった。
しばらくその掲示板で遊んでいたが、サイトの運営に疲れたのか、人がこなくなったのか、サイトは閉鎖となった。

掲示板の楽しさを知った私は広大なインターネットへ旅へ出た。でも、他の掲示板が平和でないことは利用していなくてもなんとなく知っていた。
そしてたどり着いたのがよく知らない地方の地域の掲示板だった。
ほんとうに書き込みがない。返事がくるのかどうかわからない。おそるおそる書いてみると、返事がきた。中学生のなんてことない書き込みに返信をするなんて今から考えるとどんな大人だよ!と思うのだが、変なことを言うわけではなく、ただ話を聞いてくれる人がいた。
テストのこと、習い事のこと、家族のこと……、そんな、他人からしたら本当にどうでもいいようなことを書き、返信をしてくれる人は「テストお疲れ様~」みたいなことを言ってくれた。これが私のインターネットでのコミュニケーションの原体験になっていると思う。「インターネットにもただ話を聞いてくれる人がいる」ということを私はインターネットを始めた頃に知ることができた。

同じ頃、小学校の同級生で違う中学に行った友人が「ぱどタウン」の存在を教えてくれた。
ぱどタウンは現在は終了しているSNSサービスで、実際に存在する地域になぞった架空の町があり、登録するとそこに居住することができ、ひとりにひとつの「部屋」が与えられ、部屋は自由にカスタマイズできる。サービス内で通貨を獲得し、その通貨でカスタマイズのための家具や壁紙を調達し、好きに飾った。
他のユーザーの部屋を見ていると、カスタマイズが上手な人がいて、その人たちはサービス内で提供されるカスタマイズでは飽き足りない様子で、当時の私にはよくわからないレベルの部屋の改造をしていた(ちなみにここ数年で知り合ったエンジニアの友人はぱどタウン改造ガチ勢だったらしい)。そして、その人たちの部屋には「通り抜け厳禁」「キリ番踏み逃げ禁止」などといった、今となってはいにしえのインターネット用語となってしまった用語が散見された。私は普通に無視して通過していた。

ここまで書いてみたが、ぱどタウンの何がそんなに楽しかったのかうまく説明することができない。
気が合う友達が学校に皆無だったが、習い事には親友と呼べるレベルの友人がいた。でも、その友人にもない絶妙な温度感があったような気もするが、それだけだろうか。
ぱどタウンでは先述の小学校の同級生と部屋に訪問しあったり、サイトで知り合った人と話していた。誰も実際に会おうとか野暮なことは言わず、ここでもとにかく平和な世界が構築されていて、母がパソコンを使っていない時にその世界を謳歌した。

同じ頃、どうやら中学の同級生の間ではモバゲーが流行っていたようだ。
「ようだ」という表現になったのは、私に友人と呼べるような存在がいなかったからよくわからないのだが、私は携帯電話を持っていたが携帯電話ではインターネット接続ができなかったこともあり、モバゲーに関する知識を何も持っていなかった。学校掲示板もどうやら存在していて、そこで悪口がどうとか荒れてるだとかの声が聞こえてくることもあったが、私はとにかく蚊帳の外でごきげんなインターネットライフを送っていた。
ごきげんでないことといえば、パソコンを使いすぎて母に咎められるとか、パソコンは外に持ち出せないから家でしかできなくてちょっとさみしいな、とかそういうことだった。

そんなインターネット原体験を経て、私は高校に入学した。

そしてmixi全盛期がやってきた。

当時は紹介でないとサイトに登録することができず、先輩か同級生に紹介されて登録した。軽音楽部に所属していた私は、部活の友人とインターネットでも楽しく話した。
写真や日記を共有できるサービスの利用はこれが初めてだっただろうか。友人まで公開の機能を選べることもあり、日常のことを気兼ねなく書くことができた。

しばらくして、変化が訪れる。mixiに「つぶやき」なる機能が追加されたのだ。
「なにこれ??」軽音楽部の同級生は明らかに困惑していた。私も同じ反応だった。
当時mixiしかやっていなくて知る由もなかったが、おそらくTwitterが版図を広げ始めていて、それに類似したサービスをmixiでも取り入れようとのことだったのだろう。Twitterによく似た、短文投稿機能がサービスとして追加された。

どうやってmixiから離脱したのか、全然覚えていない。
気がついたらTwitterを始めていたし、Twitterを始めたことで初めて、「インターネット面倒くさいおじさんに絡まれる」という体験をした。逆にいえばよくこの時点まで絡まれなかったなと思う。当時はTwitterをやっている人なんて世の中にほとんどいなくて、今とは全然違う光景だったことは確かなのだが、当時からクソリプ野郎は存在していた。

そして、気がついたら息を吸うように☆を押し、ツイートは数万を超えた。
今まで色々なサービスを使ってきた身としては、そのうち代替となるようなサービスが登場するのだろうとなんとなく思っていたのに、10年経ってもその気配はない。ひとりでこっそりやっていたPathはサービスを終了し、Instagramはイケイケな人たちの巣窟となった。気がついた時には☆ではなくハートおよびいいねに仕様変更され、なんとなく居心地が悪いのにやめられないSNSとなった。


私のインターネット遍歴はこんな感じで、もっと掘り下げるとMy spaceやSound Cloudなどの音楽に特化したサービスの話も無限にできそうなのだが、脱線まったなしな気もするから今回はこのへんで。

はじめてのインターネット、あなたはどこから?私は手作り掲示板から!今では立派なツイ廃です!


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