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夏へのトンネル、さよならの出口

私はもう高校生には戻れないんだなと思った。まあ、戻ったところで私は塔野カオルではないし、花城あんずもいないんだけど。
13年も私のことを思ってくれる人はいるか。あるいは私は誰かのことを13年も思い続けるか。そんな“あなた”が私にはいないから想像するだけで虚しくなる。私に合うのは昔話の“ウラシマ”の方で、それはつまり、花城あんずがいない世界で、元の世界に戻っても誰も迎えてくれず、玉手箱を開ける他ない。

映画だと、音楽は好きだけど声と尺がアレなので、見終わってすぐに原作を注文した。内容は原作読んでからじゃないと語りたくない気持ち。でもちょっと面白かったなあ。
花城あんずという存在が好き、というか、塔野カオルに対する花城あんずの態度が好き。私は男女の青春に抵抗があるので随所で歯を食いしばる必要があったけど、まあ、エモいね。もうエモいからいいよ。エモで生きていけるから。
ガラケーからスマホに変わっても、塔野カオルとの連絡のためにガラケー持ち歩いてんのが一番刺さった。そういう概念良すぎる。一人の好きだった男のために、13年間ガラケーとビニール傘を持ち歩いてんの、狂気か。恋って狂気か。私は恋って麻酔だと思ってるけどそれに近いな。

映画の感想で「エモ」って言うのは、雑な言語化による思考放棄だって言う人いるけど、いや、エモいってのは鳴き声であって、私にとっちゃ思考の保留なんだよ。また似たようなものに出会うための、エモコレクションなんだよって言いたい。

原作読んだらちゃんと感想書きます。

これ欲しいな〜

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