見出し画像

床屋を変えた日

小学生の低学年までは坊主だったので家で母に刈ってもらってたんだけど、高学年から床屋に行き始めて、中学、高校とずっと同じ場所に通い続けていた。だいたい9年か。

今日から新しい床屋に変えた。
めっちゃ家から近いのに「こんなとこにこんな店が」って感じの、秘密基地みたいな場所。
ドアを開けたら「サーカスナイト」が流れてて、夕方だなって感じだった。Marshallのスピーカーの音は素敵なんだけど、綺麗だとかお洒落だとかの前に、高いやろなあと思ってしまったのがよくない癖。
1人限定の店で、小さな空間にどかんと椅子が置かれていた。ドリンクを用意してくれるらしいのでコーラを頼んだ。ゆっくりと奥の冷蔵庫まで歩いて、ゆっくりとグラスを持ってきてくれた。
軽い会話が始まり、こうなったら私は自分が無職ぶしょくであることを隠すのは不可能だ。土日が空いてるんですか? と王手を取られたので、「いえ、平日もいけるんです。浪人生なので。」と言った。半分嘘で、私は浪人生とも言えない。勉強をしていないので。

切ってる間は無口なスタイルで、そうなれば私は頭の中で独り言を始める。
ずっと刈り上げしてるな、鏡の中のじぶん滑稽だな、そんな機械で切るの!?等々。
音楽はリミックスになっていてほぼ分からない曲だったけど、あいみょんだの宇多田ヒカルだのも流れていた。良い曲だなと思ったものは帰ってから検索しようと思って、歌詞の一節を暗記する。小籠包じゃ、足りない、小籠包じゃ、足りない、小籠包じゃ、足りない……。

恥ずかしい話だけど、前の床屋では「絶対に志望校に受かりますわあ」と豪語しており、しかし落ちたのでこれは言い逃れしたくないなと思って逃げた。9年もそんなものか。まあおかげでより家に近くて、良い空間を探せたので結果オーライか。

とにかく丁寧で、ゆっくりとした動きの方で、たっぷりと1時間半かかった。整髪剤はジェルタイプがおすすめと言われた。メモ。
やっぱり鏡を見るとかっこいいな〜と思っちゃう。自分の顔が好きなので。これは澁澤龍彦の言っていた自己愛に近いと思うんだけど、好きな女性の顔もどこか自分の顔と似ているパーツがあったりする。アニメの好きな男キャラクターも自分と似たところがあるキャラが多い。

大学生になったら良い感じのところに変えようかなと思っていたからちょうど良かった。なってないけどな大学生。
なんの中身もない文章になってしまった。まあそういうのもアリか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?