出りょく 5

一昨年「月に1冊、年に12冊は本を読むぞ」と息巻いていた時に、いわゆる戦国時代ものの小説を2冊読んだ。
昔付き合っていた彼女の影響でゲームの『信長の野望』にハマり、それが大いに影響して戦国時代ものは割と好きなのだが、読み進めるにあたって困ったことというか、猛烈にめんどくさいなと感じることが多々あるのだ。だから購入してはみたものの、手に取り読み始めるまで腰が重くなる。だって

「元亀2年、下野国から7里ほど先に陣を張る武将は身の丈5尺はあろうかという偉丈夫で、辰の刻の出陣の命を今や遅しと待っていた」

みたいな、文章が出てくると…
・元亀2年て西暦でいうといつ?
・下野の国っていまのどのへんのこと?
・7里は何kmよ?
・5尺はデカいのか?というか何m何cm?
・辰の刻ってそもそも何時?
と『変換作業』をしなくてはいけなくなり、どんだけ話に没入していても急に現実に引き戻されてしまう。その瞬間の没入度が高ければ高いほど苦痛というか、めんどくさいというか、とはいえ内容如何ではその距離や時間が大事ってこともあって無視もできないので、それがまためんどくさい。

要は『すらすら読めない』のだ。
ただでさえ遅読なのに。

しかしその分、めんどくさい変換作業も含め、時間を掛けて『読む込む』ことになる。
そうすると最終的にはあら不思議『どっぷり』になっている。
当人が思う以上に楽しめて、満足度・充足感が高い。
手が掛かる、めんどくさい作業の向こうにはそれがある。
むしろ最近では、そのめんどくささこそが、と強く思いやまないのだ。


最近『めんどくさい』と口には出すが、それをやらないとか、避けるとか、先延ばしにするってのを極力やめるようにした。
きっとその『めんどくさい』は、本能的に大事なことだということをアラートしてるのだと思う、と思うようにしている。

次に読む本は戦国時代の小説に決めた。
きっと、めんどくさいんだろうなぁ。
とはいえ、これまで読んだことがあるから、ここに出力できてるわけだし。
大事なことだったんだよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?