異性のアイドルを推しているけど、恋愛対象としては見ていないんだよなあ

夫は最近とある女性アイドルグループの子を気に入っている。わたしも好きな(むしろわたしのほうが詳しい)のでいっしょに配信ライブを見ていたとき、夫がぽろりとこぼした。

「◯◯ちゃんたちは恋愛対象とかじゃなくて、妹というか姪っ子みたいにかわいいんだよなあ」

……

…………?

…………ちょっと待て。

わたしジャニオタ歴20年以上だけど、推しのことを恋愛対象として見たことなんて一度もないよ……!

そのときやっとわたしは気づいた。そうか、社会の大多数は異性のアイドルを応援している=恋愛対象として見ていると感じているから、これまでの人生いろいろと認識のズレがあったのか。

思い起こせば自分のことをジャニオタと自覚する前である中学生のときでさえ「ジャニーズが好き」なんてクラスメイトの男子に知られたら白い目で見られると感じていたし、ジャニオタだと自覚した大学生になってから好きな男性芸能人を聞かれてジャニーズの人の名前を答えたら「ああ、理想が高いんだね」なんて言われることも少なくなかった(ので、しばらくしてジャニーズの人の名前を出すのはやめた)。

高すぎた自意識のせいもあるけれど、ジャニオタっていうだけで生きづらい世の中だな……と強く感じていた。でもそれは、社会の大多数とわたしの認識がずれていたんだな。

仲良くしてくれたオタク友達も同じように恋愛対象として推しを語ることはなかった。「今日のビジュアル最高」みたいな話はするにせよ、「ああいうときあの人ってこうだよね」とか、「もっとこういう仕事きたらいいと思う」みたいな、世間話の延長というか人間観察のたぐいの話ばかりしていたなあと思い返している。

ジャニーズによくある上半身裸ばーーん!みたいな雑誌やパフォーマンスにも正直興味がない。そんなシーンに出くわすと周りの黄色い歓声を聞きながら「ああ、キャーポイントですね、うんうん」みたいに一歩引いて見ている。

前に街なかで推しが大きな広告に出ているのを指差して「ああいうの見ると『キャー』ってなるの?」と聞かれたことがあったけど、正直キャーとは思わない。いるなー、ってくらいだし、広告に起用していただきあんな目立つところに出してもらってありがとうございますの気持ち。

と、わたしが言っても、異性のアイドルを恋愛対象として見ている人のほうが多いのだろうし(だからアイドルに恋愛禁止みたいな風潮があるんだろうし)、思春期のころに「違うの、恋愛対象じゃなくて推しなの、応援しているだけなの!」とか言っても信じてもらえなかっただろうしなあ……と考えてぐるぐるとしてしまっている。

好きだし応援もしているけど、なんていうか、ずっと、親戚のおばさん目線なんだよな……。前にジャニーズ大好きな青木アナが「ジャニーズを応援するっていうのは大河ドラマを見ているようなもの(意訳)」と言っていたけど、まさにそんな感じ。切り取られたお仕事中の一場面を見て、誰かの人生を応援したり推察したりさせてもらっている。(そこに人権とは、とか考えちゃうと話が変わってくるのでそれはここでは置いておく。)

恋愛市場から退いてしばらくしている今だからこうして言っても「そうですか」って感じなんだろうけど、思春期や恋愛したい盛の20代のころに誰かに言っても説得力もなかっただろうし……うーーん。

なるほどなあ、そういう認識のズレだったのか……。

なんというか、鉄道オタクに撮り鉄、乗り鉄、音鉄みたいな種類があるように、わたしたちジャニオタにだって種類はあるからそこに名前をつけていきたいよな……。三点リーダばっかりの文章になっているけれど。


というのを、推しが結婚を発表して改めて思ったので書き起こしてみました。

わたしは倫理的に問題なくお取引相手や仕事関係の方にご迷惑にならなければ、推しがすこやかに恋愛して結婚するのは気にしていないので、いやあもうめでたいねえ、の気持ちしかありません。

おめでとすぎる!

と、同時にオタクしている人みんながすこやかに生きられますように願ってしまったよ。オタクのスタンスなんて人それぞれだから、それぞれに自分の人生楽しんで生きような。



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