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筋力回復・筋力増強の為の基礎知識+α

ARにおけるエクササイズの目的

アスリハの中で行うエクササイズについては、明確な目的を持ち実施することが極めて重要であるとされています。

そして、そのエクササイズは、①外傷部位や周辺部位の機能改善を目的とした局所的なものと②全身状況や競技スキルの維持・向上を目的とした全身的なものの2つに区分されます。

そして、このエクササイズ実施において、行動を起こすことは物事が(+)にも(ー)にも作用する事を念頭に置いておく必要があります。
つまり、リスク管理の部分をいかに鮮明にイメージすることができるか。
スポーツ現場で働く上で、このリスクヘッヂを行いアスリハを加速化させることは、重要な考え方の一つであるといえます

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筋力回復・向上エクササイズの基礎知識

エクササイズの適応と注意

筋力エクササイズには2つの目的(側面)があります。

競技者の現在持ちうる身体機能を一層高める事。
スポーツ外傷・障害を負った正常とは言えない状態の筋に対して
その能力を向上させる事。

その中で、アスレティックリハビリテーションについては、②>①の要素が色濃いと言えます。

また、実施において、①関節の形状  ②運動の自由度*  ③関節可動域を把握しておく事は必須と言えます。

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_____________________________________*運動の自由度とは、運動面のことをさします。

さらに、どのような工程を踏まえ、筋力に改善が見られるか。という観点からの理解も重要です。


筋力エクササイズを行う際に必要な評価とエクササイズのプログラミング

アスリハ立案に際し、選手の身体状況を明確に捉えるため、評価を行うことは周知の通りである。

その評価の中でも、疼痛についてより詳細に捉えることは重要なことである。
疼痛をより詳細に捉えるために、以下の点についてクリアにしておく必要がある。

疼痛の出現のタイミング
安静時/運動時
収縮時/伸張時
圧縮時・叩打時など
*どのタイミングで疼痛が増大するかを明確にすることは、その疼痛の原因を探る意味でとても重要なことである。

患部エクササイズと患部以外の身体部位へのエクササイズ

アスリハを立案する際に、患部と患部外にメニューを分けることが重要視されていいる。
あくまでアスリハをおこなう目的が競技復帰とするのであれば、患部の機能改と、患部外の機能維持は同時進行で考えるべきである。
以下に、各要素の要点をまとめる。

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エクササイズの導入:機能評価結果の用い方

アスリハを構成する際に、実際にどの部位(筋肉)に対して、どの様なエクササイズを行うのか。またはどの様なエクササズが必要になるのか。その選定の手助けとなるのが、機能評価と言われるののである。

筋力の評価方法については、多くの方法がり、その代表格となっているのがMMT(徒手筋力検査法)である。このテストは実施が比較的用意ではあるが、その結果にややあいまいさが生じる。(客観的に評価できないことがある

以下に、各検査方法の要点をまとめる。何れにせよ、どの方法で身体状況を機能評価し、メニューに落とし込むかが重要となる。

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OKCおよびCKCの適応と方法

OKC:Open Kinetic Chain:開放運動連鎖は床に足部や身体が接触していない状態で行う運動を指す。また、単関節運動でもあると説明されています。

CKC:Close Kinetic Chain:閉鎖性運動連鎖は、OKCと異なり、足部や身体が床に接している状態で行う運動を指します。また、床に足部が接していることが原則であることから、運動は自ずと複合関節で生じます。(=多関節運動である。)

両者の特徴と、違いが対比できる様に以下の情報をまとめます。

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大まかな流れとして、OCKと言われる運動様式から関節運動を再構成し、段階を追ってCKCへと移行する流れをとるとこが多いです。


両者を対比した時、(語弊がありますが)OKCは簡単な運動であるのに対してCKCは複雑な運動である。OCKが単関節運動であるのに対して、CKCは多関節運動でるという捉え方ができます。

このような対比をすると運動強度的にOKCからCKCの方が良いのではと捉えてしまいがちですが、OCKは単関節運動であるが故に患部にのみ*負担がかかってしまうという側面も持っています。

このことは、患部をリハビリするという意味では利にかなっていますが、逆にいうと患部にのみ負担を強いてるということにもなります。

_____________________________________
*単関節運動であることこから、主働筋により大きな負担がかかるということ。
それは言い返すと、局所的な運動負荷を強いることにもなる。


OKCとCKCを関連づけたエクササイズ(SCKCという考え方)

OKCとCKCの運動様式の間にSCKCという概念がある。この概念は、多関節運動であるCKCの要素を含んでいるが、CKCの様な荷重負荷がかかっていない状態の運動を指す。
例えば、固定自転車やレッグレスがそのSCKC様式に該当する。

例えばレッグプレスの場合。多関節運動を踏まえ、荷重をかけていくが、垂直方向への荷重ではなく、垂直の運動方向より角度がついている。
垂直方向への運動負荷がまだ慣れていない場合については、事前にSCKCを用いた運動を積極的に行い、荷重感覚を研ぎ澄ますことは段階的負荷設定を講じる際に重要な点と言える。


自動運動によるエクササイズ

自動運動だけでは、患部やその周辺に十分な負荷(刺激)が入らず、過負荷(Over Load)**の法則が生じないことがある。しかしながら、アスリハの序盤で、自体重を用いたエクササイズを行うことは決して少なくない。

よって、アスリハにおける自動運動の位置付けは、自動運動による筋肥大というよりは筋の収縮感や、関節運動の感覚を研ぎ澄ますアプローチの一助として捉えておくことが理解しておく必要がある。

自動運動=筋肥大<筋の収縮感・関節運動の感覚の改善

________________________________________________________________________________
**過負荷の法則:筋肥大を考えた時、適切な負担が体にかかることで、その変化を期待できる。重要なことは、①運動の強度 ②時間 ③回数 ④期間を明確に設定することである。

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チューブによる抵抗を用いたエクササイズ

スポーツ現場で比較的実施することが多いチューブエクササイズですが、そのポイントは、引けば引くほど(張力をかければかけるほど)抵抗(刺激)を得られるという点です。
また張力を用いての運動になるため、引っ張る(求心性)・引き離す(遠心性)の運動様式を再現できる点もメリットだと言えます。
一方で、正確な負荷量が分からない点がデメリットとしてあげられます。

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チューブトレーニングの適応を考えた時

①筋が最大限に収縮(短縮)しようとする局面で、力発揮を行いたいとき。
②求心性から遠心性。遠心性から求心性など運動の局面を複合し実施したい場とき。

などに有効活用できると考えます。


マシンを用いたトレーニングとフリーウエイト

マシンを用いたエクササイズは一般的に用いられているものである。
またその手法については多種にわたる。
マシンを使いエクササイズを行う場合は、その機材の特徴を十分に理解しておく必要がある。

フリーウエイトは、ダンベルやバーベルを用いて行うエクササイズを指す。
このフリーウエイトは、マシントレーニングと比較されることが多いため、フリーウエイトの持つ特徴についても理解を進めておく必要がある。

以下に両者の違いを記す。

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その他のエクササイズ

プライオメトリクスとは、筋腱複合体の機能を十分に活用しようとするトレーニングである。

重要な点は、腱に伸張ストレスをかけ、そのストレスを効果的に放つことができるか。この点にあります。

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実施における留意点

エクササイズを中止すべき際の項目についてまとめておきます。

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+α スポーツ現場での実際

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