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おとな女子こそ南イタリア⑥パレルモ

実に20年ぶりに踏んだシチリアの地。ナポリからのOver Night Ferryは予定通り、6:30amに港に到着。地元の人々が動き出す前、まだ静かなパレルモの町は、スマホのGoogle Mapを見ながら大型スーツケースをガラガラ引いて歩いても、全く問題が無し。直前のナポリは人疲れ&混沌疲れ、ホテルの部屋以外は常に気を張っていたことによる心身ともに疲労困憊の身には、パレルモの広い道路(旧市街部は別として)、広い空、綺麗な海の背後に連なる荒々しい岩山の景色は、何とも言えない解放感!下船直後から、パレルモLOVEモードはMAXに。そういえば、初めてシチリアの地を踏んだ20年前の記憶は、楽しかった&美味しかったしか残っていないことに気付きました。

イタリアなんだけど、いわゆる日本人が思う‟イタリアっぽさ”がちょっと低いところが、シチリア島の町や村の魅力なんじゃないかと思います。

地中海の中心に位置し、東西南北の軍事的・開運的に、長い歴史の中で誰もが欲しいと思う島だったシチリア。宗教や民族が異なる様々な支配者により、常に取って代わって治められていた歴史によって、独特でユニークな文化が育まれたお陰で、世界のどこにもない唯一のシチリア文化が確立されていった訳です。ここにしかない、ここでしか体験できないものが、山ほどある場所。

ベネツィアなど観光客慣れしている(というか、観光客をちょっと軽く見ている部分もある、と感じる時もある)イタリア本土の人々に比べると、シチリアの人々はむやみやたらにヘラヘラしない。作り笑顔が無い分、最初はちょっと敷居が高く感じるかもしれないけれど、実は超が付くほど親切だし、優しいのです(中には、ネガティブな意味の超イイ加減な人もいるけれど)。

パレルモの魅力は様々あって、まずひとつはシチリア貴族の館が沢山残されていること。現在でも王子&王女の肩書がある人や、爵位を持つ貴族の末裔が所有している館が多数あります。一般公開されている建物も多く、博物館や美術館じゃないのに、当時の栄華を目の当たりに出来るのはスゴイところ。

また、パレルモ市内の建築物は、カトリック教会なのにイスラム寺院風の丸屋根が付いていたり、顕著に異文化ミックスの跡が見て取れるのが面白い。この辺りは、ある程度シチリアの歴史が頭に入っていると(学校で習う世界史レベルでOK)、余計に興味深く見ることが出来ます。

残念ながら、20年前の‟初上陸時”にどこに泊まったのか、全く覚えていないのですが(ホテルの写真も無いのは何故?)、今回の滞在に当たりよくよく調べて実泊した結果としては、旧市街と新市街の境目当たりで、新市街エリアにあるホテルが、ぶらり街歩きを楽しむおとな女子の旅人には良いと思いました。ここ数年で新規オープンしたホテルも多く、5ッ星ホテルも集まっているので、予算に併せて選べますし、何より、新市街エリアの方が治安面で◎。旧市街との境目当たりのホテルなら、旧市街へも夜だって気楽に歩いて行けるから一粒で二度美味しいという感じ。

中央駅近辺もエコノミーホテルが沢山ありますが、この辺りはパレルモ市内でも治安の宜しくない場所のひとつ。鉄道やバスで1日郊外へ行くには便利ではあるものの、気を張り続けていられない人(?)には不向きだと、個人的な感想です。ちなみに、サレルノの姉:Rosaからは、『中央駅は危ないから(スリ等が多いという意味)。列車も本土よりも遅延や運休が多いからおススメしない。バスで移動するのがベター。』とのアドバイスがありました。

パレルモでは、教会や宮殿巡り、美術館&博物館、観光スポットは数えたら本当にキリがないのですが、一番楽しいのは街歩き、そして食べること!ナポリが『見てから死ね』ならば、パレルモは『食はここにあり』でしょう!海の幸を筆頭に、強烈な太陽の恵みを受けた豊かなシチリアの農産物は、味がもう本土のモノとは違うのです。濃い!甘い!新鮮!そんな素材で作られるシチリア料理は、美味しくないはずがないですよね!どんなお店で食べても大きく外すということはないはず。むしろ、絶対的にNGなお店を探す方が難しいと思います。

今回の滞在中、食事処に関しては、パレルモ在住の‟姪っ子”(30年ぶりに会ったら優秀な脳神経外科医になっていてビックリ!)が、彼女たちが良く行く地元っ子に評判の店リストを作ってくれました。そこからピックアップして行ったので、本当に美味しかったー!ただ、私たちのパレルモ滞在中、姪っ子ちゃんは学会出席のためジェノバに・・・一緒に過ごせず残念。

そして、いろいろとあるシチリア名物中、個人的に外せないものは鰯とフェンネル(伊名:Finocchio/和名:ウイキョウ)の料理。普段の生活で鰯はあまり口にしません(アンチョビくらい)。生の鰯を買ったり、自分で料理する機会はほぼ無い私ですが、シチリアに行ったら絶対に食べます。日本近海で取れる鰯とは種類が違うからなのか、単に新鮮だからなのか、魚臭さはゼロだし、何より味が濃くて美味しい!フェンネルも久々に食べて、ああやっぱり私はこれが好き!日本では、お洒落な西洋野菜を置いている高級スーパーでも売っていない時が多いのですよ。クセ強めだけど、癖になる味。そして、鰯とフェンネル、この2つを合わせた料理は、言うまでも無くBuonissimo!ちなみに、超保守的な夫の口には、ちょっとハードルが高すぎた様子です(笑)。

太陽が強い(近い)分、光と影のコントラストが強いので、写真好きの方には、ぜひモノクロで撮影することをおススメしたい場所。カッコ良い写真が沢山取れること請け合いです。

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