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PANAMAMANのお蔵出し~本郷・茗荷谷編

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都内の食べ歩きなどなど、徒然なるままに書き留めています。
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桜並木の穴場ランチスポット「食彩酒席 ビカヴォ」茗荷谷

茗荷谷駅から、教育の森公園までの途中に、桜並木が美しい小さな公園がある。概ね周辺の土地の大部分は区の駐輪場になっており、のんびりゆったりして、いい感じの「空地」風。ほっこりお散歩するのに最高な場所だ。この通り沿いにビカヴォはある。 ビカヴォはこの界隈では気軽に行くことのできる居酒屋である。縦に長い店舗だが、店奥にはまとまった人数が入ることのできるスペースもある。近隣の忘年会や新年会を一手に引き受けることのできる十分なポテンシャル。チェーン店でもないのに駅近で便利この上ない。

ゆしま、ときどき「デリー」上野店

地下鉄湯島駅、上野広小路駅、御徒町駅…どの駅も、よほど何か用がないと使うことがない。そして、御徒町から湯島駅への大通り沿いは、今や知る人ぞ知る、都内屈指の治安の悪さで知られる「湯島地区」の入り口である。 数年前までは、夕方五時を過ぎるあたりから、湯島三丁目近隣のチョットした小路に入ると、薄ら笑いを浮かべた客引きの執拗な勧誘が後を絶たず、また深夜になると身ぐるみはがされて路上に寝ている人も(本当に、パンツ一丁)。行政の働きかけで大分状況は収まったといえるが、土地柄だろう。マス

ネルドリップエグゼクティブ「TISE(タイズ)」本郷三丁目

タイズはコーヒーの店だ。間口は三メートルもないのではないか。本郷三丁目駅から春日通りを東に進む。本富士警察署を通り越してしばらく行ったところにあるのだが、注意していないと見過ごしてしまう、そんな外観だ。 知る人ぞ知るネルドリップコーヒーの店として、開店後、瞬く間に人気店に。店の影響か否かはわからないが、タイズの周辺では本格的なコーヒーショップやタピオカドリンクの店も進出してきた。 思わぬところで街の経済が動く東京では、ある種の、何かに選ばれたとしか言いようのない「お店」の

いいんだョ、グリーンだョ「搾り屋 935」本郷

つい先日まで搾り屋吉ゑ門と名乗っていた、本郷三丁目駅から水道橋方面に歩いて5分くらいのマンションの一階。人気の、知る人ぞ知るフレッシュジュースの店だ。 都内のフレッシュジュース店では、ここ数年、コールドプレスジュースが時流を牽引した。ゆっくりと時間をかけて、野菜を絞るという、あれ。昨年のことになるが、ヴィーガン界の某有名インスタグラマーが、本格的なコールドプレスジューサーを披露してくれて、ようやくその全貌を理解できた。人参や小松菜やデーツをゆっくりと低速ですり潰す機械にかけ

ラビオリむかし語り「(La Fabbrica Della Pasta) Quel」(クエル)本郷三丁目

本郷三丁目から水道橋方面へ大通りを歩いていく。順天堂とか、医科歯科の方向だ。壱岐坂通りの手前に、おしゃれな外観のレストラン。「クエル」というそうだ。もちろん、たべられます。どちらかというとたくさん食べる方です。 本郷三丁目付近のレストラン、飲食店の中でも、かなり新しい部類の…成功店に入るだろう。最近、壱岐坂の近くにおしゃれなお店ができたなあ、なんてのんきに構えていたら、あれよあれよという間にランチどきは満員御礼。運が悪ければ、12時半までに座ることが難しい、かなりの人気店と

画になるとろろなっとう「信濃路」茗荷谷

インスタグラムをしていますか。ひと時に比べると、めっきりスマホで食べ物を撮ることも減ったように思う。ブームが一難去ったという感じだ。そういえば「映える」という言葉も使われなくなった。もう、インスタ映えのために飲食店で注文するなんて、かっこ悪いことになったのかもしれない。ほっとしますね。 美味しいものにかぎって、スマホをかざすのを忘れる、また、お店の人に嫌われたくないから撮影を控える…ゆえに、どうでもいい写真が増える…というデフレスパイラル。クラウドの中にはどうでもいい写真が

オレンジとチョコとアウトレット的ななにか「デカダンス ドュ ショコラ」茗荷谷店

チョコに目がない。夏でも冬でも、できるだけ冷やしてバリバリするくらいの奴をかみ砕くのが好きだ。最近のお菓子メーカーのチョコはハイクオリティ。中途半端な海外のチョコなど、砂糖が多すぎてカカオの香りを愉しめなかったり、油分が多すぎて胃もたれしたり…。ハイクオリティに慣れすぎてしまうのも舌が肥えすぎて大変だ。そして、こんなにおいしくて手軽に買えるお値段の日本菓子メーカーのチョコと張り合わねばならないのだから、チョコレート専門店なんていうのは何とも因果な商売だ。大変に違いない。 チ

お店の味をご自宅で「天鴻餃子房」本郷

本郷三丁目駅から東大に向かって歩いていくと、黄色い餃子店の看板に目が釘付けになる。これ、絶対美味しいやつですよねと言わんばかりの立て看板。ビルの階段を上ったところに入り口がある。テレビでも紹介されたということですが、テレビに出ていなくても間違いなく街の人気店だ。 こちらの名物と言えば、なんといっても黒豚餃子。普通の餃子よりもずっとずっと大きい。かりっと美しく色づいた焼餃子がうれしい。肉の餡自体は薄味なので、自分で酢やラー油を調合してたれを多めに作るのがコツ。大学近隣の餃子店

出会い・伝説・牛丼・納豆、「丼太郎」 茗荷谷

丼太郎というと、いろいろな意味で、伝説的な茗荷谷の牛丼店だ。 ご存じのない方に、概要だけご説明すると、80年代から90年代、つまり日本のバブル時代、その真っただ中に「牛丼太郎」という東京の牛丼店が、吉野家や松屋に追いつけ追い越せとばかりに店舗を急拡大した。本社は文京区。一時期は関東一円に店舗展開するまでに至ったが、結局バブルは崩壊。牛丼太郎もその影響を免れず、急拡大がかえって仇となり、営業を終了するに至った。しかし、当時の若い店員(たしか、拓殖大学のアルバイト店員等が中心)

ずっしり手作りの重み「Pan屋K’eat」茗荷谷

某有名チェーンのパン屋、駅ビルなどに出店し、店内で焼きたてパンを提供する、「あそこ」でバゲットや食パンを購入すると、確かにうまい。いい小麦を使って、きちんと手順を守って製造されていると思われる。 そして、いくつかの街のパン屋で、評判のものを購入しようとすると、なんとなく昔風のコッペパンだとか、オイリーな総菜パンだとかそれでも嬉しいラインアップが目白押し。高級パンと、街のパン屋さんは上手に共存して我々を楽しませてせてくれる。しかし、今回ご紹介するパン屋は、そうしたパン屋の「成

盛りとランチと酒と「Abats.(アバ)」本郷三丁目

本郷三丁目駅から、ぼんやり、りそな銀行まで出て、壱岐坂通りという、ぼんやりと商店街の様相をした道路を、東洋大学に向けて歩く。順天堂や東京医科歯科の病院関係者などもランチにやってきているのか、それでも昼時にはまずまずの人通りである。 商店街の外れに、おしゃれな雰囲気のオーニングを出したレストランが見えてくる。 Abats.(アバ)は、ハム、ソーセージ、パテ、テリーヌなどシャルトルキュリーと呼ばれる食肉加工品を得意とするフレンチとビストロの間くらいのレストランだ。 一時期は、

沼色スープ礼賛「麺屋 ねむ瑠」

新しい店舗が生まれては消えていく東京。ラーメン店は特に熾烈な競争が繰り広げられている。 一時期、ハマグリスープを使ったラーメン店が乱立した。しじみスープを使用した店も。 貝のスープは確かに美味しい。しかし原価が高く採算割れになる場合もあるという。採算ラインに乗せるには、冷凍などの工夫が必要のようだ。 本郷三丁目駅から東大に向け歩いていくと大きな交差点に出会うが、その近くにねむ留はある。ここの名物はイカの煮干し(!)を使ったどんよりしたスープだ。なるほど、ハマグリに比べれ

唐辛子に浮かぶ肉片で舌鼓「蓬渓閣」

本郷三丁目駅から東大赤門へ向かって歩く。大きな交差点を少し進んだところに、蓬渓閣の看板。入り口は少しわかりづらいが、要は二階だ。店内はいつも多くの客でにぎわっているが、異国の雰囲気を漂わせている。一度など、お客が私以外中国人ばかりだったこともある。 こちらはさすが学生街の入り口、ボリューム満点の定食が並ぶ。名物はよだれ鶏。おそらく一人前をすべて平らげると、2000カロリー近いのではないかと推測される。ラー油に浸った鶏肉にはナッツの砕いたのがこれでもかと振りかけられている。土

本郷ほっこりきちんとご飯「松竹堂カフェ」

本郷三丁目駅から東大に向かって歩く。赤門とは別に、春日門という小さな門をご存じだろうか。その近く、本富士警察署の向かいあたりに、小さな、かわいらしいカフェがある。 「松竹堂カフェ」、東大学生生協食堂からの救済を求めて、多くの人々が昼飯に訪れる。確か、お店では店外に行列を作ることはお断りだった(気がする)。 よって、ねらい目は夜ご飯。ぜひ、このカフェを訪れてはいかがだろうか。大根サラダ、小さな総菜三種(ランチより種類が多い)、メインディッシュ(たいていマッシュポテト添え)が