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もしも本を手に入れるまでに苦労したなら?

手に入れるまでに苦労すればするほど、やっとの想いで手にした物は、何年経っても色褪せない。
そんなことありませんか?

今回は、もう20年以上前、僕の中学時代の話です。
PAMELAHという女性ボーカルと男性ギターの二人組がいまして、僕は完全にハマッてました。

PAMELAH

まだまだインターネットが普及していなかった時代です。
新曲の発売を知るには、音楽雑誌を調べるか、当時はたくさんあったCDショップの新曲予約コーナーをチェックするしかありませんでした。

音楽雑誌でPAMELAHの新曲情報をつかんだ僕は、発売日前日に(シングルは水曜発売でしたが、火曜には店に並んでた)、部活が終わって帰宅するやいなや、近くのCDショップに行き、ニューリリースコーナーを調べました。

けれど、お目当てのCDは見つかりません。
売切れかと思い、そこから徒歩10分の別の店にも行きましたが、そこでも見つからず。

「今回は発売当日にならないと入荷されないのかな」
と勝手に考えて、その翌日、つまりCD発売当日に再びCDショップへ。
しかしやっぱり見つからず。

「店員に聞けばいいじゃないか」と思った方もいるでしょう。
その通りなのですが、ムチャクチャ人見知りだった当時の僕にそんなことができるはずもなく、結局、そのCDは入手できませんでした。

その数日後、別のCDショップの新曲予約コーナーを見てみたら、探し求めていた新曲は、一カ月の発売延期となっていました。

結局、一カ月後にそのCDを入手した僕は、とにかく聞き込みまくり、今でも歌詞はもちろん、ギターソロのフレーズまで完璧に口ずさむことができます

でもこれって、手に入れるまでに紆余曲折あったからこそ、そこまで何度も何度も繰り返し聞いたんじゃないかと思うんです。

もちろんその曲の良さもあるのですが、何事もなく発売日前日に購入できていたら、そんなに聞き込んではいないんじゃないか。
そんな気がしています。

ネット書店でクリックして本を買うのは便利だし、いまさら昔に戻る気もないけれど、もしも本を手に入れるまでに、思い出になるような何らかの事件が起こったら……。
もしかしたらその本は、普通に手に入れるよりも大切な一冊になるんじゃないか。

そんなことをつらつらと考えた日でした。

t.i小説編集ラボというオンラインサロンをやっています。

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