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跳んでるふたり

「トランポリンやりたい」
五歳息子が遊興施設を指さす。
突然のスコールに避難してきたモール内で偶然見つけた。
運動系に付き合うのは妻担当だが、彼女も了承。
私は入場せずしばし二人を見守り、書店に離れた。

一時間後。
戻ってくると、変わらずキャッキャと跳ねてる二人。
今は同じジャンプを合わせることに挑戦していた。
「パパ、見てて!」

ジャンプ→開脚ジャンプ→ジャンプ→腰落ち(お尻で跳ねる)→ジャンプ

練習の成果か二人の息はぴったし。
奇しくもこの日は母子共にボーダー柄Tシャツで。
まるで親子パフォーマーを見てる気分。
(羨ましさも少々……)

「もうちょっとやりたいね」
三十分延長を言いだしたのはママの方。
――大丈夫?
「久しぶりに汗かけて気持ちいいの」
言いながらもまた一人で跳ねだす妻。
溌溂とした表情は童心に帰ったよう。

すっかり雨は上がっているけど、まいっか。
デニムの腰からパンツがはみ出ていたけれど、まいっか。



呼吸合ふトランポリンの空高し

(こきゅうあうとらんぽりんのそらたかし)

季語(三秋): 秋高し、天高し、空高し


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