硬いよりも柔らかい方が良い

 クライマーの方々は、「股関節が硬くて乗り込みができない」「狭い」といった経験をされることが多いと思います。
 「身体が硬いと動きの範囲が狭くなる」というのは、多くの方々が知っている事実だと思います。

 そのような側面で「柔らかい方が良い」ということももちろんありますが、今回は感覚的な側面での「柔らかい方が良い」について、記事を書いてみます。

 ここで一つ、想像してみてほしいことがあります。
・2本の野球バットがあります。
・片方の手に1本ずつ持ってください。(この時、バットの端を握ります。中心は持たないでください)
・この2本のどちらが重いか、比べてみてください。

想像の中なので難しいかもしれませんが、おそらく「バットを揺らしてみたり」「バットを動かしてみたり」しませんでしたか?
身近なものでも試してみてください。お椀でも靴でもなんでも結構です。物体の重さを身体で感じるときは、多くの場合ゆらして確認することが多いですよね。

この時、腕は「物体を持つだけの必要最低限の力のみを発揮し、あとはなるべく脱力していた」と思います。このように外界の何かを感覚する場合には、なるべくリラックスし、脱力できていた方が良いのです。
この時に過剰に力を加える(物を強く握るなど)場合、なかなか重さの違いは分からなくなります。

このようにある程度の脱力から生まれる柔らかさというのは、運動の柔軟性だけでは無く、周囲の環境を認識することにもとても役に立ちます。

クライミングで周囲の環境を認識する際にとっても重要なのは、足です。

薄い、小さい、ツブ、デュアルテクスチャー、などなど、極悪なフットホールドを踏むには、その状態を足で認識する必要があります。寒くて足の感覚が悪い時って、よく滑りませんか?

なので、足は柔らかく保ちたいんです。

ウォームアップの時には、足のマッサージも取り入れてみてください。

足はこのように、たくさんの関節があります。

地面の形状に合わせて関節を柔軟にもしますし、体重を支えるために剛性を作り出したりもします。

足はとても機能的ですが、クライミングシューズはその特性上、どうしても硬さを作ります。
一度脱いだら、履く前にマッサージをして柔らかさを整えてあげてください。
踏みやすさが出てくると思います。







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