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カフェテリアプランというビジネスモデルについて

カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)のビジネスモデルについて、ニッチなインダストリーであり、あまり知られていない。
ただ、福利厚生アウトソーサーから転職した今感じることは最強のサブスクリプションモデルだということ。理由を以下に記載する。

1.ビジネスモデル

カフェテリアプランとは、会社が従業員にポイントを付与し、事前にルール化した基準内でポイントを使用することで、ポイントを給与として加算する、福利厚生制度である。
例えば5万円分を付与。従業員は旅行で10万円使用。会社に申請すると5万円が給与加算されるという仕組み。

カフェテリアプランはコストがかかる(例 従業員1000名で5万円付与の場合、5千万円)ため、法定外福利費が元々高いエンプラ企業の導入が多く、全体の導入率は10数%という状況。

導入するにはポイント管理が必要になる。アウトソーシング率はほぼ100%に近い。理由は、管理するには自社システム開発が必要で、アウトソーシングのROIが高い。また、アウトソーサーを活用することで、申請はWEBからペーパレで可能になる。

ポイント管理費用は従業員数の従量課金になる。例えば、1000人の場合、1人100円/月とすると120万円/年・社かかる。10000人だと1200万円。加えて、カフェテリア導入時にはパッケージサービスがセットでついてくる。サービスとして別ではあるが、セット導入が前提となっており、カフェのみ企業はほぼない。パッケージが300円/人・月ほど。カフェを超えるプライシングとなっており、1000名だと合わせて480万円。ARR480万円、MRR40万円。高い収益性のビジネスモデルである。

2.アップセル

カフェテリアプランの運用方法は、
・毎月人事データのアップロード
・給与取込みデータのダウンロード
大きくこの2点。

システム化されるため工数は発生しないが、例えば契約社員も対象にしたい。再雇用者も加えたい。この場合、システム改修費が発生する。自然にアップセルが成立する。
昨今では企業合併も多く、その場合も自然の人数増、システム改修がアップセルできる。

3.チャーンレート


そして何より凄いのはチャーンレートはほぼ0%に近い。カフェテリアプランは外部サービス導入ではなく、自社制度である。給与加算するため、就業規則に明記される。辞めるには労使協議の上、合意が必要であり1度導入すると辞めることはない。また、運用が煩雑なため自社運用に戻すこともない。

・エンプラ企業導入が多い
・アップセルが自然に発生
・チャーンレートは0%

上記かまカフェテリアプランを最強のサブスクリプションと考えた理由である。

そして、業界は4社競合であり、ノウハウがない新規参入はほぼ不可能。カフェテリアに変わる福利厚生モデルは20年出てきていない。

改めて外部から見て優れたビジネスモデルだと感じた。

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