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認知症の人への非倫理的な扱いについて

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現役医師が、認知症の人との関わりで、ついついされがちな倫理的な問題について、一般の人にもわかりやすく説明するシリーズ。
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記事一覧

認知症の人の住み替えについて考える

本日のサマリー 周囲の人の心配が増えていく時 私たちも、日々失くしものをします。 買い物…

医療倫理の4原則

医療倫理の4原則を、具体的な事例を交えて解説します。 自律尊重の原則(Respect for Autonom…

認知症の人が倫理的な扱いをされていないこれだけの理由

今日は、認知症の人が、倫理的な扱いがなされていないことがこれだけあるということをお話しし…

認知症の人の意思決定①

ビーチャムとチルドレスの倫理原則のうち、自立尊重の原則は、個人の自己決定能力を尊重し、そ…

夕飯どうする?認知症の人の意思決定②

前回は、ビーチャムとチルドレスの倫理原則のうち、自立尊重の原則について認知症の人に適応す…

医者は患者に危害を加えてはいけない

今回は、認知症の人への支援から見た医療倫理の4原則の2つめの要素として、無危害を取り上げ…

認知症の人とのコミュニケーションにおける合理的配慮について

今回は、認知症の人への支援から見た医療倫理の4原則の3つめの要素として、患者の利益について、認知症の人に当てはめて考えていきたいと思います。以前の記事では私はこのように書いています。 利益というと、プラスになるイメージがあるかもしれません。医療の場合は、マイナスをゼロに近づける努力をするようなイメージと考えています。病気があれば、それを取り除く。取り除けなければ、改善させる。改善させられなければ、維持をする。 Il guerit quelquefois, Il soula

認知症の人と医療分配の課題

医療分配に関する公正さとは ずいぶん間が空いてしまいましたが、認知症の人に医療倫理を適応…