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朝から地獄を軽快に

白状すると、実は、「朝ドラ」が苦手だ。
朝起きられないから、ではない。

ファンの方々には大変申し上げにくいので、
どうかお目こぼしいただきたいのだが…


笑えないコントのような、
「そうはならんやろ」「なんでやねん」という
クセの強いシチュエーション。

ナチュラルに有無を言わさず
常識や良識を振りかざしてくる
キラキラ具合。

単純に、わたしの根が天邪鬼なので
あんまりごり押しされると引いてしまうというか、
光の波動が強すぎて近づけないという話だけなのかもしれないが…
なんにせよ、見ているとイライラモヤモヤしてくることが多いので、
なるべく視界にいれないようにしている。
(「見なければいい」というご指摘はごもっとも。
 だが、我が家のリビングにあるテレビは大抵NHKが映っていて、
 NHKでは、日中は大抵「朝ドラ」を流しているのである)


ところが、
ところがである。
今週から始まった『虎に翼』は、ちょっと様子が違う。
日本で初めて女性で弁護士になった三淵嘉子さんをモデルにしたストーリーだということだが、そんなことは関係なく、実に愉快痛快。


女性が、女性というだけでむやみに見下され、
誰もが自由に言いたいことも言えない社会…
「そういう時代がありました」と、過去形では語れない今である。

前者は、多分に薄まってはいるだろうが
恐ろしく根強く残っているし、
後者は、ある意味では寧ろ悪化しているようにすらおもえる。

そんななかで、主人公の素直さが心地いい。
「女の幸せは結婚にある」と考える母のもと、
「強かに生きなきゃ」とほほ笑む親友の傍、
一度は「そうかもしれない」と受け入れようとし、
それでも、どうしても聞き捨てならない事柄にであってしまっては
「はて?」と物申さないではいられない。


今週の最後、彼女は地獄への切符を無事に手に入れた。
(時代、状況から、既に様々な地獄が想像できてしまう)
来週からはきっと、更に「はて?」ということが続くのだろう。
どうか、最後まで力尽きることなく、軽やかに突き進んで。
その様子を見守らせてほしい。

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