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職人が好き…!

実にいいものをみせてもらった…

職人が描く、職人の世界とでも言うべきか。
公式ページにある「圧巻の描写」という表現にはなんの誇張もない。
淡々と手元や素材の変化を映すシーンがやたらと多く、
絵で語るという意味でこれほど漫画という表現が相応しいものはないし、
「まんが」とい単語から想像される印象との乖離がある物語もない。

ジャンルとしては時代劇になるのだろう。
江戸時代は神田を舞台に、桶、刀、藍染め、畳、左官といった様々な職人の仕事ぶりがしつこいほど丁寧に描かれている。
(作者は完全にそこが描きたい人だ)
それぞれ基本的に短編形式で、横のつながりはあまりない…が、
これから出てきそうな気もする。

内容はドキュメンタリーのようだ。
全体的に妙にリアルで説得力があり、こういう女性の職人もいたのかもしれないとおもわせる。
完全なフィクションという気もしないので、一度ちゃんと調べてみたい。
(江戸は新しい街で、人も多かったし、実力さえ示せたら文句をいう無粋な輩は少なかったのかもしれない)

それにしても、刀や酒、藍など
日本には人の手だけでは作れないものがたくさんあることに気づく。
しかも、それが今も、細々ではあっても確実に継承されている―…
だからこそ、この圧巻の描写に繋がっているのだろう。

職人の描く、職人の世界。
もとより職人に憧れる身としては当然のこと、
そうでない人にもぜひ見ていただきたい1冊だった。


≪補足≫
どうやらネットでも見られるらしい。
個人的には紙の材質ともあっているので、本のほうがオススメだけども…


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