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「知りたいこと」の図鑑

本屋さんで初めて見かけたとき、妙なタイトルだなと気になったのだ。
この『知りたいこと図鑑』は。


だって、これじゃまるで
「わたしが知りたいことが載ってる図鑑」のようじゃないか?
(そりゃ図鑑には知りたいことが載ってるもんだろうよ)
どういうことかとパラパラめくってみて納得した。
間違いなく、「知りたいこと」の図鑑だったから。

3桁の電話番号のまとめ、
麻雀パイの名前、
靴、襟、帽子の種類、
桜、雪、風の名前などなど
本当に知りたいこと、より正確には知りたくなること
落ち着いた色合いのオシャレなイラストでまとまっていて
見ているだけで楽しい。
それぞれに特徴のあるまとめ方になっていて、わたしのように音よりも絵で理解するほうが得意なタイプには大変嬉しい仕様になっている。


特に重要なのは、「知りたいこと」の図鑑なので、
「知りたいことの答え」の図鑑ではない、ということだ。
そこが物足りないという向きもあるかもしれないが、
わたしにはこの書かれ過ぎていないことにグッときた。
今の世の中、大抵のことは名前がわかれば調べられるのだから
これで充分なのである。

たとえば、鉄刀木という単語。
なんと、タガヤサンと読む。
本の中には漢字と読み方しか書いてない。

もう、なんで?のオンパレードだ。
なにもの? どっからきた? 何語?
イントネーションは? 由来は?
…というように、一瞬で頭の上に疑問符が並ぶ。

一応、テットウボクとも読む木の名前で、黄色い花が咲く、マメ科の広葉樹であるという。(辞書調べ)
案の定、とても硬く、重いことから鉄刀木の文字があてられたらしい。
が、「タガヤサン」という言い方の由来は判然としないようだ。
(なんとなく外国語っぽい印象があるけれども)
それにしても正しいイントネーションが気になる。
Mr.TAGAYA(タガヤさん)的な感じなのか、
Mt.TAGAYA(タガヤ山)的な感じなのか、
はたまた「耕さん!」的な感じなのか…


と、かようにいちいち「知りたいこと」の図鑑なのである。
ちょっとめくってみただけで発見のあるこの本も素晴らしいけれど、
改めて、知らないことの多いこの世界もやっぱりなかなかおもしろい。
蔵書入りは確定だけど、いちいち棚に戻さず隙あらば手に取って数ページ眺めるような付き合い方をしていきたいな。

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