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贈り物を選ぶ時間が好き


人から物をもらったとき、
何をもらったかももちろん大切だけど
何より「私のいないところで私のことを
考えてくれていたんだ」と思うことが好きです。


自分が贈り物をするときも同じ。

贈り物を渡す相手のことをたくさん考えて
ああでもないこうでもないって悩んで
その時間がとても愛おしく感じます。


どうでもいい相手だったらそんな手間はかけたくありません。

でも本当に大切な人のためなら
贈り物を考えて悩む時間さえ愛おしいのです。


社会人1年目でお世話になった上司が異動になったとき
下っ端の私が送別の品をひとりで選びました。

私はその上司を心底尊敬して慕っていました。

昔ながらの体育会系といった感じで
他の同僚はほとんどが苦手にしていた上司でした。


実際めちゃめちゃ厳しかったし
泣きながら仕事したこともありました。

それでも何よりも自分自身に一番厳しい上司のことを
私は本当に尊敬していました。

部下との関わり方とか言い方とは態度とか
不器用が故に改善の余地はたくさんある方でしたが
私もこんな大人になりたいと思っていました。


上司も私のことは可愛がってくれていました。

期待値が高かった分、厳しいこともたくさん言われました。
ストレスで肌もボロボロになっていました。

それでも私はその上司を嫌いになることはありませんでした。

色々なことを教えてくれた人でもありました。


そんな上司の送別の品
ネクタイを贈ることになりました。

百貨店に行っていろんなネクタイを見ました。

お店の方との話しながら
どのネクタイが似合うかなとか
これなら使ってくれるかなとか
考えを巡らせました。


もうかなり前のことなのに
今でも鮮明に思い出せるくらい
その時間が幸せでした。

このとき初めて、
贈り物を選ぶ幸せを知りました。


結局私が選んだネクタイを上司がつけているところは
一度も見ることはありませんでした(笑)

そんなところも上司らしいなと思いました。


私はその会社を辞めてもう3年になります。
今でもその上司は私に戻ってきてほしいと
内輪でこぼしているようです。

何がそんなに気に入られていたのかよくわかりませんが
そんな敬愛する上司に今でもそう言ってもらえて
私はとても幸せ者だなと思います。


この時の経験があるから
人からお土産や贈り物をもらうと
その裏側まで想像するようになりました。

旅行先でも私のことを考えてくれたんだなとか、
私と一緒にいない時間にも
私が頭の中にいたんだなと思うと
贈り物をもらうことが2倍嬉しくなります。


だからこそ自分が大切な人に贈り物をする時は
どんな些細な物でも相手のことをたくさん考えて
一番喜んでもらえそうな物を選ぶようにしています。

何よりも、大切な人のことを想いながら
贈り物を選んでいる時間が
とても愛おしく、大好きなのです。









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