ケバブの絵踏
仕事が一段落したため、東京に遊びに行った
久しぶりの吉祥寺駅前は
全校集会の体育館以上に混雑していて
人が右往左往に動く中、
自分の道を歩くのに必死だった
都会の人は歩くのが上手い
自分もつい半年前まではこんな風に
肩で風を切りながら
東京の街を歩いていたのだろうか
就職を機に田舎に戻った
田舎で暮らしていると
4年間生活していたはずの東京は
再び憧れの場所なっていた
ないものねだりで愚かだ
吉祥寺駅前の雑踏の隅に落ちていた
「ケバブ」の立て看板
人はそこにあるケバブの看板を踏まないように
上手く避けて歩いていく
駅前の群衆に気を取られてその看板を踏めば、
田舎者だと後ろ指をさされるかもしれない
あるいは
敢えてケバブの看板を踏み付ける
ケバブアンチだと思われるかもしれない
看板から離れたところをそっと通った
人にぶつかった
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