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みりんで作ったバームクーヘンって知ってます?

「良い調味料を使えば、あれこれ手のこんだことをしなくても美味しくなるんですよ」これはよく料理家の方の取材で聞くことです。

料理が得意とは言えない私は、その言葉を信じて良い調味料を揃えるようにしています。そんな私がこだわる調味料の一つが「みりん」。

ところで、みりんには「本みりん」と「みりん風調味料」の二種類があるってご存知でしょうか?みりんは基本的に米と米こうじ、そして醸造アルコールで作るものですが、みりん風調味料には糖類とか調味料とかが入っているんです。一方で、本みりんは本来、原材料に「米、米麹、醸造アルコール」のみ。

余分なものの入っていない本みりんって、実は飲んでも美味しいんです。そもそも戦国時代の頃は甘いお酒として飲まれていたとも言われているので当然と言えば当然ですが。以前、また別のイベントで三河みりんさんに店頭でみりんを飲ませてもらったときに、その美味しさに驚いた覚えがあります。

ただ、最近困ったことに近所のスーパーで売っている「みりん」は「本みりん」と書いてあるのに「糖類」などが足されているものばかり。「本みりん」と書いてあっても、安心できないんですよね。

「あー、味醂屋さんが本気で作った味醂を買いたいな・・・」と思っていたところ、先日催事で「九重味醂」さんのみりんに出会いました。

社名に味醂と謳っているぐらいなので美味しいはず!と一本購入して家に帰って飲んだところ・・・。なんかね、カンロ飴のお酒って感じ。一口飲んで、目を見開いてしまいました。
一口飲むと、香ばしいコクのある甘さが口の中にふわっと広がり、その後にクッとアルコールが来る。もう、これは飲み物。カクテル。ロックで飲みたい。
・・・やばい。キッチンドランカーになるかも。

調味料フェチとしては、こんな美味しいみりん、1本しかなかったら切らしたとき大変!!!と心配になる。
幸い、みりんはある種「お酒」なので開封しなければ1年半ぐらいもつとのこと。次いつ買えるか分からないので、これはストックしておかないと!と思い再度催事会場へ!

すると味醂の横に何故かお菓子が売っているのに気が付きました。

箱もシンプルで格好いいですよね。お持たせにもいいかも。

『みりん屋さんのバームクーヘン』
「え?なんでみりん屋さんがお菓子?」正直、頭の中では(何もバームクーヘン作らなくても・・・)という言葉が浮かびました。
ただ、実際この前の日にここのみりんを飲んでみて、驚くほどの美味しさを体験したばかり。確かに、あのコクのある甘さのみりんでお菓子を作ったらおいしいのかもしれない・・・?とちょっと興味が出てきました。

催事っていうのは一期一会。ここで出会ったのもなにかの縁、と思って買ってきましたバームクーヘン。

先日購入した丸いスレートボードに乗せてみました。格好いいなぁ。

このバームクーヘンの特徴は表面に「みりんジュレ」がかかっていること。
なんだ「みりんジュレ」って???
でも、なんか美しいんです。このジュレが。
バームクーヘンって素朴なお菓子のイメージがあったけど、このジュレがかかった姿を見たら、ちょっと渋く撮ってみたくなりました。早速まずは撮影。そして実食。

ジュレがかかってるから甘ったるいのかな・・・と思いきや、意外にも甘さは控えめ。そして、口当たりがとてもなめらか。
味醂が入っているせいか、甘さは控えめながらコクと深みもある。
おいしい。控えめに言ってもおいしい。

みりんジュレ、美しくないですか?

いや、最初見たときに「みりん屋さんがお菓子?えー?」とか思ってごめんなさい。
調べてみると、九重味醂さんは創業1772年、250周年を迎えるみりんメーカー。みりんを貯蔵する九重味醂の大蔵は国の登録有形文化財だとか。
生産現場フェチとしては、是非実際に蔵を見に行ってみたい〜と夢がふくらむ情報。

そして、その老舗メーカーが本みりんの可能性を広げたいと思ってこの商品を開発したとのこと。歴史にあぐらをかかずに、みりんの世界を広げようと努力する姿に正直心打たれました。
確かに、これを食べてみてみりんの懐の深さに気がついた私。ただの調味料だと思っていてごめんなさい。
心を入れ替えて、しばらくはキッチンで少ぅしずつ味醂を飲みながら、色々なお料理に挑戦してみようと思います。(飲みたいだけかもですが)

みりん屋さんが作ったバームクーヘン。イベントじゃなくてもこちらでも購入できるそうです。味醂も是非味わってもらいたい。よかったら。


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