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Dior展で学んだ! 人を魅了する創造力

こんにちは!最近、「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展に行ったので、今回はDiorを題材に勉強したマーケティングを繋げて記事を書くことにしました。

Diorの概要

元々裕福な家庭に育ったクリスチャン・ディオールのデビューは1947年、なんと41歳での遅いスタートとなりました (前回シャネルについて記事をあげましたが、家柄・デビュー時期が真逆で面白いです)。幼少期に住んでいた家の、やさしいピンクでグレーの小石が混ざった漆喰色が今のシグニチャカラーとなっているのではと思います。

「リュンブの家」

また家では、母親が広い庭園のお手入れをしていたことから、幼少期から花や植物のカタログを暗記してガーデニングについて興味を持っていたよう。この幼少期の思い出や暮らしぶりが、後のDiorデザインにおける鮮やかでお花を連想されるフェミニンなスタイルや香水が生まれたのかなと考えます。

(ちなみに現在はLVMHに買収されています)

Diorの強みと特徴

Diorはオートクチュール(高級オーダーメイド)をフォーカスした服が特徴とされており、1955年には、メゾン・ディオールはフランスのオートクチュール輸出量全体の50%以上を占めていたそう。

また「現代のファッションで何より大事なのは、全体のライン。靴から帽子に至るまで、全身の装いがシルエットを作る」と考えていたDiorは、やはり服は、8ライン(ゆったりとしたなで肩で絞られて細いウエストと、広がったボトムスによって数字の8の字を思わせるシルエット)が特徴的でした。

Dior展にて①

展示会では、創設者クリスチャン・ディオールが影響を受けた芸術から、彼の庭園に対する愛、豪華な舞踏会の魔法、ディオールのコレクションに最初から影響を与えていた日本の豊かな創造性への魅力など、素晴らしい発見を伴う75年を超える情熱にスポットが当てられています。

Dior展にて②
Dior展にて③
Dior展にて④

Diorのピラミッドモデル

当時王室御用達レベル(下図のUnique luxury productsに値)だったDiorのオートクチュールは、やがて他の顧客層にもアプローチするために、レディ・ディオール(下図のLuxury/Premier productsに値)やミス・ディオール(下図のStandard productsに値)といったラインナップを広げています。

Kapferer´s pyramid of the level of luxury 

ちなみに、上記ピラミッドモデルはラグジュアリーブランド管理モデルとも言われており、他のハイブランドにも適用できるブランド戦略やポートフォリオを構築する上でよく使われるブランド創生法のようです。

「ミス・ディオール」
(pafume)「レディ・ディオール」(bag)といったラインナップは、名前の通りフェミニンさを象徴しており、アプローチする顧客層は違えど、しっかりブランドイメージの一貫性を維持していると思います。

人を魅了する創造力とは

クリスチャン・ディオールから学ぶ、人を魅了する創造力の鍵となるのは「多面的に考える力」「幼少期で体験した知見」から来ているのではないか、と推測します。幼少期で体験した知見とそれに追随する理想のデザインをベースに、色んなパターンを組み立てていき、デザインでアウトプットしています。

創造力生成の考え方(筆者の推測)
今回は図に表してみましたが、この考え方を故意におこなっているわけではなさそう


合わせてシャネルの記事もぜひ!Diorとまた違った角度を持っていて、面白いです。個人的には、「幼少期の記憶」が個性を構築している所感なので、シャネルではれば「クラシック・シック・インディペンデント」というワードが似合いますが、Diorはどちらかといえば「フェミニン・ドリーム・カルチャー」がキーワードにもなったり。

参考記事



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