旅と道草

日本に生き方を学ぶ旅人そーちゃんです。 僕は知らないのです。 この地域、あの地域で生き…

旅と道草

日本に生き方を学ぶ旅人そーちゃんです。 僕は知らないのです。 この地域、あの地域で生きている人の暮らしを、 技術を、歴史を、教育を、精神を、知りたいのです。 まずは生まれ故郷の日本から。 僕が学んだことはこのnoteから、 いずれ文庫本として、全ての人へ。

最近の記事

第三章 第一歩 農家というもの

コケコッコー! 旅をして二日目、 農家生活一日目、 ほのぼのハウスでの生活が始まった。 昨日はすぐに寝てしまったので、 とりあえず家の中と外を見て回った。 家は手作り感満載で、 それでいて安心するものを感じた。 この旅でどれだけの家を 見ることができるだろうか。 僕だったら台所はああしよう、など たくさんのアイデアが浮かんでワクワクする。 コケコッコー!! 「ん?」 朝の比喩表現であるニワトリの声かと 思っていたが、 実際にニワトリがいた。 しかもざっと四百羽ほど。

    • 第二章 第二歩 何かの縁

      ついさっき初めて知り合ったおじさんと、 たくさん話した。 僕がなぜ旅を始めたのか。 おじさんの仕事は何か。 なんならお互いの家族構成まで。 不思議なものだ。 街ですれ違う人には何の関心も持たず、 その人の過去も未来も気にならないのに、 一旦関係を持つとそれだけで 自分の人生において意味のある人物となる。 ましてや自分のことを助けてくれた人だ。 その人との関係構築に熱が入るのも 自然な行為である。 僕が助手席の背もたれに安心感を 覚えるようになった頃、 もっと不思議なこと

      • 第二章 第一歩 待つ

        僕は歩き出した。 太陽が少しずつ上がってきている。 日差しと空気が柔らかい。 朝の六時半。 さて、改めて初の旅先は岡山県。 スマートフォンのマップで調べると、 車で高速道路に乗って二時間と表示された。 「意外と近いな。」 ふむ。では初めてのヒッチハイクに参ろうか。 ん?ちょっと待て。 ヒッチハイクって、どこでしたらいいんだ。 一旦立ち止まって考える。 人がたくさん通る道で、 尚且つ岡山に向かいそうな道路か。 国道もあるけど、 大阪から岡山まで行く人となると 高速道路を使

        • 第一章 第二歩 旅立ち

          かくして、僕は旅に出るための準備を始めた。 まずは物理的に、近辺整理から。 教師としての生活に必要だった書類や、 小道具たちを捨てる。 次に、パートナーとの 思い出の詰まった物たちとも別れる。 三年も交際していれば、 そりゃあまぁたくさんあった。 「今まで楽しませてもらいました。 ありがとう、さようなら。」 掃除。 思考の整理は、モノの整理から。 さて、視界も良好になったところで、 音楽でもかけながらすっきりした部屋を見渡し、 一番核となる「旅の目的」を考えた。 思考

        第三章 第一歩 農家というもの

          第一章 第一歩 僕が僕であるために

          ここは大阪、山の中腹にある公立の中学校。 職員室の外は木枯らしが吹き、 中では一週間ほど前からストーブが炊かれている。 生徒たちは授業が終わり、 窓の外から色とりどりのマフラーを巻いて 下校する様子が見れる。 先生たちは忙しなく次の授業の準備中だ。 と言っても、忙しないのは新卒の僕くらいだ。 他の先生は長年勤めているスペシャリストたち。 授業内容も授業形態も確立しているので、 時代や今年の生徒に合わせて修正する。 当然僕は、明日の授業ができていない。 授業を一から作らな

          第一章 第一歩 僕が僕であるために

          まえがき

          僕の旅の話を隣人であるあなたに伝えたくて、 この本を書きました。 ちなみに、 僕は今まで本なんか書いたことはないです。 ただ、旅をするにつれて本にすべきだと 実感することが多くなりました。 ある意味、有名作家の本に期待を抱きながら 肩に力を入れて読まずに済むんじゃないかな? 良いところを取りすぎですね。 久しぶりに再会した友人の話を聞くと思って 読んでください。 さて、まえがきという事で、 はてどんなことを書くのだろうかと調べましたら、 約束事やこの本の大まかなテーマを述