ニジェール_020

サハラの古の交易地、アガデス(ニジェール)


マリの後はブルキナファソ経由で海岸へ降りガーナ、トーゴ、ベニン、そして再び北上しニジェールへ。マリから流れてきたニジェール川と再開した。

再びサヘルと呼ばれる地域、サハラの麓へと戻ってきた。
ガーナなどの熱帯の地方を旅した後、やはりサヘルの国々は貧しいなあと思うのである。国土が貧弱なのが一番の理由か、餓えた子供たちが非常に多い。空缶や空き鍋を持って、バス停をはだしで駆け回る。この子供たちはセネガル、マリ、ブルキナ、そしてここニジェールと多く、熱帯雨林が茂り、国土が豊かなガーナやトーゴなどでは見事に見れなくなるのだ。

バナナを食べて皮を捨てると、子どもが走ってきて拾う、そしてへたに残ったわずかな部分を食べる。スイカを食べ終わるとくれと言う、あげると白い部分を嬉しそうにかじる。屋台の後ろにはそうした子どもが控えていて、客が残したものをおばちゃんがまとめてボールにいれて配り、それはあっという間になくなる。
サヘルの国に残り物というのは存在しないのだ。

「養えなえないなら生まないでほしい」と思うのである。
でもやることがないからやることをしちゃうんだよねやっぱり。
子ども達に罪はないからよく食べて遊びたいよなあとつくづく思うのだ。
アフリカの悲しい一面である。

さて、ここニアメー。ニジェールという一国の首都である。世界最貧国の一国といわれるニジェールのGDPは一人200US$。
それもあってか、さすがに何もない。まあアフリカの都会と呼ばれる場所はこれが普通だとわかってきたところでもあるが・・・
でも通りをラクダが悠々と行き来し、 ひとたび路地に入ればそこは砂で埋もれ、バイクなんかタイヤがスタックしたりしてる。首都なのに、こんなのは世界広しといえどもここだけかもしれない。

ニアメーからサハラ交易の古都アガデスまでは900km。 途中機関銃を持った警官が護衛の為乗り込んでくる。今だこの地域の治安は良くないようである。
アガデスは真のサハラの麓 。ホテルから一歩外に出れば、そこには泥でできた茶色い家々が並び、道はサハラの砂で埋もれ、通りにはターバンを巻き長剣をさした男がウロウロ。こいつらが実にカッチョよい。ここはサハラの遊牧民トアレグの町。アラブの血が混じっているのか肌が白い人も多い。

過去にタイムスリップしたような古代から続くラクダ市の不思議さといったら!

北へ行けばアルジェリア、北東の道は世界で最も孤立した町の一つという「ビルマ」を通じ、リビアへと続く。
ここはもう一つの地球の果て
「トランスサハラ」
この言葉がこれほど似合う場所はない。

スイスと同面積あるという、サハラに浮かぶ山岳地帯、Air Massif にトアレグのガイドと一緒に3泊4日のらくだツアーに出かけた。4日だけではたいした距離をカバーできなかったが、なかなか楽しかった。
日本の山が恋しくなるような、モロッコのような瓦礫だけの山だった。意外にもワディ(涸沢)沿いに緑が多く、素朴な村村を訪れながら、砂漠の砂の上で満点の星を見ながら眠った。




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