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乳房にメス!温存か一次二期再建かの選択するまでの私の思考



私のおっぱい変形するの⁉


MRIの検査が終わり、次のマンモトーム検査を受けるためにベッドに横たわっていると、担当医の先生が来ました。

そして

先生 「MRIの検査の結果、2㎝×2㎝の範囲でマンモと超音波の画像とも一致。造影剤がゆっくりと落ちたんだけど間違いないと思う。がんが疑われる範囲よりも2㎝から3㎝大きく切るから、6㎝から8㎝範囲ぐらいを切除することになると思うんだよね。ということはね…。」

私 「凹むということですか。」

先生 「そう、部分切除だと変形する可能性があるということになるの。だから、無理して温存するよりも、全摘して再建できれいな胸にするというのもいいと思うよ。今は再建でとても綺麗な乳房を作れるし、大学病院から来てくれる形成の先生はほんとうにきれいな乳房を作ってくれるから。それに、全摘と同時に再建も進めるから喪失感は少なくなるし。患者さんの満足度は高いから。考えてみてね。」

私 「コスパは。」

先生 「部分で放射線を当てるのと、全摘再建でも費用はだいたい同じぐらいだよ。生存率の差に違いもない。だから、あとは心情の問題ということになるね。」

心情の問題は費用の面より重たい問題


生存率はどちらの治療でもほぼ変わらない。そして、治療費にも大差がない。ということは、どちらを選んでも今のところ良さそうです。心情の問題といわれていも、それが大きな問題です。

この段階では、がんといわれ気持ちが非常に不安定で、自分の心情がどうなのか正直よくわかりません。またまた、私にとって難問が立ちはだかります。

胸失うの嫌


それがどんなモノであろうと、何かを失うというものは、”心情的”に受け入れがたいことです。まして、胸を失うというのは、どうしても受け入れがたい問題です。

私は、過去に口蓋扁桃(こうがいへんとう)と胆嚢(たんのう)の摘出をした経験があります。『摘出』という行為は同じですが、口蓋扁桃を取っていただいた時も、胆嚢を取っていただいた時も、迷わず摘出の手術をお願いしました。

それは、手術していただく前に、耐え難い症状が頻回にあったということがひとつあります。そのため、辛い症状から早く解放して欲しいという思いが強かったため、摘出することになんの躊躇もありませんでした。

一方、今回の乳がんに関して、私は、辛い症状がまったくありません。がんを示唆しているのは、画像だけです。そのため、自ら症状を取り除いて欲しいという願いが正直ありません。

そして、何より、2回経験した摘出手術との大きな違いは、外見上が変化するこというこです。口蓋扁桃も胆嚢も、摘出しても外見が変わることはありません。術後も、摘出したからといって、喪失感を感じることなどありませんでした。

乳房は、きっと違います。悪い所だけを取り除いても、ましてや、乳房を取るなんてことになれば、明らかに体の形に変化が出てきます。

今まで慣れ親しんできた体に大きな変化が生じるだなんて、想像をはるかに超えています。その変化に自分が耐えられるか否かなど考えることなど到底できせん。

変形残る温存、胸失う全摘


私の心情は、今まで通りの乳房を維持して、がんは全て取り切って、再発のリスクがないようにして欲しいというのが正直な気持ちです。しかし、現実は、そうもいかないようです。

生存率に関しては、部分切除でも全摘でも変わらなくても、再発のリスクには差がでるようです。部分切除の場合は、再発のリスクを減らすために放射線治療をすることが条件になります。一方、全摘ならば、がんを完全に取り切れば放射線治療の必要もなく、再発のリスクもないに等しく完治を目指せます。

”完治”という言葉は、私にとって非常に魅力的なワードでした。問題は、完治を目指すためには、乳房を全部取るということです。

かといって、部分切除を選択したとしても、私の場合は、変形が残こる。さらに、放射線治療をした場合、放射線の影響で皮膚が硬くなるという変化もあることも先生から説明されています。

変形する上に、皮膚の状態も変化する可能性が高い。それは、違和感として残るということです。乳房はあるものの、変形や皮膚の変化を、治療後に裸になって鏡を見た時に毎回耐えることができるのだろうか。

加えて、再発のリスクを多少なりとも抱えていくことに、私は精神的に参ってしまうことはないのだろうか。部分切除は、部分切除で全摘と同じぐらい悩みがつきません。

どちらの選択も、患者にとっては酷です。そのような決断を短期間で、しなければならないのは非常に辛いことです。泣きたくなります。

自分の選択に折り合いをつける


まだ、確定診断を出すための検査の段階だったので、主治医の先生も、決断を急がせるというよりも、部分切除か全摘再建という治療があるというあくまでも提案でした。

そして、先生からも「今後、そのような方向で話をしていくことになると思うから、少し考えておいてね。」と伝えられました。

そんな会話をしてから、マンモトーム検査に入りました。検査の最中は、部分か全摘か。変形か失うか。そんな考えばかりが、頭を巡っていました。

そして、出た結論は、乳がんというものについてとにかく調べてみるということでした。部分でも全摘でも、ちどちらを選んだとしても正解に導くためです。言い換えれば、どちらを選んだとしても、後悔する場面が将来でてくる気がしたからです。

そのためには、乳がんの知識を自分なりに得て、後悔する場面に遭遇した時、その選択は正しかったのだという理由を見つけておきたかったのです。自分の選択に後悔や不満がでたとき、自分に言い訳をして気持ちに折り合いをつけたかったのです。そうでもしないと、部分か全摘の選択を出来る気がしませんでした。







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