見出し画像

覆ることはなかった乳がんという診断

マンモトーム検査から16日間が過ぎ、いよいよ告知の日。初診の日に、「がんが濃厚」といわれていましが、心のどこかで違うかもしれないという期待もありました。

正式に乳がん患者の仲間入り

結果は、先生の見立てどおりに『乳がん』。低乳頭型の「非浸潤性乳管がん」、核異型度はグレード1、エストロゲンレセプター(ER)のスコア3、プロゲステロンレセプター(PgR)のスコア3、Ki-67は5.4%という診断がでました。非常におとなしい乳がんであると説明を受けました。

体調はすこぶる良い。しかし、体の中には、『がん』というものが存在し、今日から私はがん患者です。

先生のギアが変わった

検査結果について一通り説明を受けると、今後の検査や治療についての説明へと移りました。そこで、先生の態度に異変。初診からずっと温和に接してきた先生が突如アブレッシブな感じに変化した気がしました。

本業である外科医のスイッチが入ったような、そんな感じです。今まで以上に頼りがいを感じた瞬間でもありました。

治療方針を固めた

検査結果をふまえ、なんども画像を確認しながら、先生と治療について話し合いをしました。

先生は、可能な限り部分切除で治療をしてあげたいと考えていたのでしょう。繰り返し、繰り返しMRIやCTの画像を確認、画像を大きくしたり小さくしたり、角度を変えてみたりと非常に細かく画像チェック。

先生自身も全摘手術と部分施術でかなり悩んでいたようです。MRIとCTとの画像にひとつ懸念要素があったからのようです。実際、その懸念要素について、私にも説明がありました。

先生は、部分切除でも全摘でもどちらでも対応できるよう準備を進めているということも伝えてくれました。

「魔の2週間」で私が決めた治療方針は、乳房全摘で乳房再建です。私は、そのことを先生に伝えました。そして、私と先生が決めた治療は、完全治癒を目指し、乳房全摘で同時再建という結論に至りました。

がん告知は意外とあっさり

がんの告知は、重々しい雰囲気の中、深刻な話しを聞かなければならないのかと思っていました。しかし、私の場合は違いました。すでに、初診時に「ほぼがん」と伝えれていたので、がん告知日は補足的な意味合いが強く、「やっぱり、そうだったのね」という感じでした。

診察室の雰囲気も、重々しい感じはありませんでした。それは、先生や看護師さんが、これから悪い知らせを聞くであろう患者のために可能な限り明るい雰囲気、気分が落ち込まないような雰囲気を作り出していたからなのかもしれません。

がん告知は、私がテレビドラマから想像していたような感じでなかったので、少し拍子抜けした感もあります。少なくとも、がん告知によって絶望の淵に落とされることはありませんでした。

現実は、今置かれている状況を速やかに脱却し、治療後も今まで通りの生活をしていくための対策を講じるの精一杯。ドラマと現実は、やはり違います。リアルの方が、もっとドラマチックに事が進んでいくようです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?