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あと何分?![1]

ちょっと理由あって出稼ぎに行っていたあの頃
けっこう重労働で10㎏やせました。
貴重な体験だったので書き留めておこう。
そう思った切っ掛けは数日前にその職場をニュースで見たからです。
「水濡れ座席の検知方法が新幹線清掃で改良試行」

電車の座席に座る時、皆さん急いでサッと座るでしょう?
濡れていないかな?なんて注意していないですよね?
傘の水滴なら良いですが、お茶がこぼれた、中にはお漏らし
そして酷いのがわざとジュースやビールをかけまくって行く人。
そんな濡れた座席を確認するために
団扇や扇子の様な形をした箒に水濡れセンサーがついた用具で
1座席ずつさすって検知しています。
サーモグラフィーカメラに改良されれば腰をかがめることなく
上方から3席まとめて検知できるようになる。

実は過去にその仕事に就いていたことがありました。
今ほど不景気ではなかったけれど
各業界の編成がだいぶ変化し始めていた頃でした。
えっ何で?と思うような他業種から転職してくる人達も多くいました。

職場は全体的に体育会系で秒刻みの軍隊のような印象が残っています。
○○ヨシ!○○ヨシ!チェック、チェック
学生時代に部活を多少やっておいて良かったなと思いました。
まずもって職場の更衣室へたどり着くまでが遠い。
細長い階段と厳重な防犯装置の扉をいくつもクリアーしてたどり着く。
そこはやはり鉄道の安全を守るために厳重になっています。

着替える制服には落とさないように結着グッズで色々な物を装着する。
身だしなみを整えてまず行うのが、
その日に担当する列車の発着時間などが印刷された用紙を取り、
列車と列車の到着時刻の差から作業時間(当時は12分でした)を
引いた時間を計算して用紙にメモりました。例えば
列車①到着12:17
列車②到着12:33 だとしたら
33-17-12=4分間 となります。
①と②が同じホームなら問題はないのですが、
離れたホームだと忙しくなります。
ゴミ捨てや用具を洗ったり準備があり、トイレは行けないですね。
だから膀胱炎になっている人もいましたね。
最低5分間は欲しいところです。
なのでどのタイミングでトイレや備品の補充をするかを
この計算した間隔で考えておきます。
2分なのに12とか書き間違えてメモるとドえらい事になります。

その駅での全体の作業本数は1日に80本~120本くらい。
それを各班と組に分かれ1人約17本を受け持ちます。
勤務地には3つのホームに各2つの発着線、合計6つの番線がありました。
新幹線は16両編成で1両が25m
N700系などは全長404mあります。
1日の作業で2万歩を歩くこともありました。

大概1両を2人で清掃、その他トイレ、喫煙ルーム、
グリーン車の毛布などの担当があります。
また、給水ポンプなど列車下部の作業者も他に沢山います。

ホーム下に作業準備所や洗い場、詰所、作業者トイレなど色々あり
古い作りのホーム下は、かがまないと通れない所が多く
身長のある人は大変そうでした。私はチビなので頭はぶつけませんでした。
作業者がホーム上に出るには、乗客が行き交う階段の途中にある
施錠された小さな扉をくぐって向かいます。
各ホームには階段が5カ所程あり、ホーム下にもぐると慣れないうちは
車両の先頭と後方の方向感覚が分からなくなり迷子状態で焦りました。
次の列車に間に合わない!と。
待機所にエアコンはありますが、ホーム下は真夏には50℃にもなります。

そんな職場の思い出をこれから少し書いていこうと思います。つづく 

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