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おなじ

あの路線の駅員さん達の防寒着と同じ色だったダウンは
引っ越してから着だしたのだでした。

これは「あと何分?!」の[4]番目の話になります。
早番勤務には最寄り駅の始発電車に乗らないと間に合いません。
例の仕事をするまで、町に向かう早朝の電車が
あんなに混雑しているとは知りませんでした。
通学時間帯の7時半くらいからピークなのかと思っていました。
それだけ沢山の仕事が早朝から始まるってことですね。

その前の別の仕事では銀座の南の方で、
通勤に都合の良い駅が築地だった。
友達に「職場どこ駅?」と聞かれて
「築地」って答えると
「えー築地市場で働いてるの?!」と言われた
長靴ズボンをはいてセリでもやっているのかと思ったのか?
いや、違うんだが・・・
乙女の頃の私には少し抵抗感があり(市場関係の方すみません)
それ以来少しずらして日比谷線の「新富町」とか答えていたんだわ。

そういえば、地下水汚染とかあれだけ騒いでいた移転先の豊洲も
最近は何も聞こえてこないな。
今では信じられない事だが、成田空港建設には
鉄パイプを持って反対していたらしい。
そんなヘルメットを被っていた大学生達も
時が過ぎれば出張や旅行に利用しているのだろう。
八ッ場ダムもそうだけど、何かと新設工事は難産になる。
と、それた話を戻します。

その日も仕事中にホームを移動で駅の階段の端を下りていくと
改札に向かう通路の先で文句を言う女の人の声がが聞こえてきた。
「じゃまよ、ほーんと目ざわり、じゃまじゃま!!」
なんだろう?と思って良く見ると
たて巻きくるくるヘアーの綺麗なお姉さんが移動中の別の作業員達に
しっ、しっ!!と向こうへ行けという合図を出していた。
まるで汚いものでも見るように
まあ、たまにいる種類の人間だ。
その鼻にかかる声がそっくりで、一瞬
小学生の時に同級生だった我儘な〇〇ちゃんかと思ってしまった。
そのお姉さんの素敵なワンピースがワイらの作業服と同じ色だったから
よけい頭にきたんかな?

昼食を外食する時は、この作業服で行ってよいかと
食事するお店に聞いてから出かけていた。
最初の頃は水筒やお弁当を持参していたけれど疲れる。
仕事で2万歩くらい歩くと帰りには足がパンパン
帰宅する電車で乗り換えホームへの階段もへーへー言いながら上る
電車が見えても走る余力はなし、
「行ってください さようなら~」とテールランプを見送る。
急いだって座れることもない。
先輩達がお昼に外食が多いのも分かる気がした。
持ち物をなるだけ軽くしたいと言っていた。
お弁当や飲み物をカバンに入れて来ると重くて辛いのだ。

この頃から体重が10㎏ほど減って
骨に響く感じでかかとが痛くなった。
こういうヘトヘトな状態になると周りのヘトヘト達のことも
「大変だよね」って思えてくる。
はた目から見たら席を譲る側に分類されてしまうであろう人達だって
内実は分からない。ヘルプマークのように
もし「ヘトヘトマーク」があったらどんな状況になるんかな?
そんな事も想像したけど、まあ最近は筋力トレーニングが流行っているので
貯筋でビクともしない頼もしい人も増えていたら安泰だ。
あの仕事を辞めてからしばらくの間は
作業着と同じ色の服は着たくなかった。
あの色を目にしただけで疲れそうで。

衣替えで出てきた服の色で思い出したのだ。
今はもう かかとに肉がついて ここで止まれと思っている。
体型はあの頃と同じでいいのにな。

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