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言っておけばよかった

カーテンの隙間から大きな黒い蝶が飛んでいるのが見えた。
植木鉢のミカンの木にひらひらと近づいている。
柔らかい若葉を狙っているのかな・・・
幼虫に葉を丸坊主にされて実がつかなくなるな・・・
他の別の葉っぱにしてくれたらいいのに・・・
産卵される前に不織布を掛けようと外へ出た。

ミカンの木に私が近づくと、蝶は逃げるどころかバタバタと
追い払おうとしているかのような飛び方をする。良く見ると
ミカンの葉の上に7mmほどの黒い芋虫?がすでに乗っていた。
黒い蝶は、羽で来るな来るなと私と対峙するように
ミカンの木の周囲をバサバサ飛び続ける。
困ったな・・・こんな大きな蝶は初めて見た。
写真を撮っておきたいな。
それにお腹が異様に大きい。まだ産卵するのかも。
大きな人間に向かって必死にバサバサと、蝶のお母さん凄いな。

一旦家の中に戻って様子を見ていたら蝶の姿はいつの間にか消えていた。
ここは危険だと思って他へいったのかもしれない。
さてどうしようと悩んだ末、その7mmの子が食べそうな周囲をはずして
他の枝に害虫除けの不織布を掛けることにした。
この子もあの大きな黒い蝶になるんだね。

午後に洗濯物を取り込もうとベランダに出てふと見ると、
ミカンの木全体に不織布が掛かっている・・・
風のせいかな?
確かめに不織布をめくると、あの子がいない!
え?
もしや?
「ミカンの木さわった?」と洗車中の夫に聞いてみた。
「あー虫とっておいた」
「なんで取っちゃうのー」
夫?????

わざわざ芋虫の場所をさけて害虫除けしているって
そこまでの推測は無理じゃったか。
洗車以外の事まで手をつけるとは私も予想していなかったな。
可哀想なことをした。ごめんね。
ひとこと言っておけばよかった。

黒い蝶と芋虫の写真は撮れなかったけれど、
変わった形の蜘蛛の巣があったので載せておきます。

かわった蜘蛛の巣note


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