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インスタントラーメン屋さん

僕が通っていた高等学校の真横に、インスタントラーメンを食べさせてくれるラーメン屋さんがあった。
小林米穀という米屋さんで、そこの奥さんが米屋の一画をラーメン屋にして、高校生たちに食べさせていた。

僕たちは小林米穀さんのことを『小林USA』と呼んでいた。米穀、米国、アメリカ、USAという、しょうもないダジャレである。
今から40年以上昔のことですね。

店に入ると本棚があり、そこにサッポロ一番やら出前一丁やらチャルメラやら、当時売られていたラーメンは、ほぼ全て揃っていた気がする。
その中から好きなラーメンを選んで取り出してカウンターに持って行くと、おばちゃんが作ってくれるというシステム。
たしか一杯100円くらいだったかなぁ。

薄いハムと薄焼き卵と、ネギとキャベツが具材として入っていたような。

土曜日や日曜日、クラブの練習で学校に行くのだけど、週末は母が弁当を作ってくれないので、よく小林USAを使ってましたね。高校生なんで一杯では足りなくて2杯食べたりしてました。

小林USAの店内には少年ジャンプ、チャンピオン、マガジン、サンデーが揃っていて、それらを読むためにラーメンを食べに行くということもありました。
当然、最新号は3年生が読み、2年生は一週遅れ、1年生は二週遅れで読むことになりますが、雑誌を買わずに読めることはありがたかったです。
ラーメンを食べながら、クラブの諸問題について部員同士で話し合ったり、遊びの計画を立てたり、楽しい社交場でしたね。

僕たちが卒業して数年以内で小林USAはラーメン屋さんを閉め、米屋専門になってしまいました。
残念ですが、今の高校生たちはそんな店、使わないんでしょうね。

大切な想いでです。

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