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うつわ談義 お手入れ考

はじめに

サロンのお客様からよく聞かれるのが「うつわの手入れ」について。

「使う前に煮沸するべきなの?」
「洗剤で洗ってだいじょうぶ?」
「徳利の中…闇ですよね……どうやって洗うんですか?」

疑問はさまざま
大事な(高い?)うつわ
汚してしまったら…
壊してしまったら……
心配になるのも当然です。
でも
だれもがフツーに使っている道具
そんな面倒なことはありません
まずは気軽に!
楽しみましょう

予防が大事

やきものを使うとき(or使用後)注意するべきは
・汚れを残さないこと
・しっかり乾かすこと
基本はこの2点だけです。
当たり前のハナシですが予防が大事。
これが十分でないと→汚れます

主な症状は
・臭いがつく
・カビる
そうなるとちょっと厄介です
食べものが入るうつわ、うかつに強力な薬品類は使えませんから(使いたくないですよね?)

日々の手入れ

これは美容やファッション、健康法と同じで百人百様いろいろなやり方があると思います。
ここで書くのは私のやり方
いいな、と思うところがあれば参考にしてください。

はじめにホンネを言ってしまうと
酒器なんて毎日お酒でうつわを洗っているようなもので
よく濯いでしっかり乾かせばなんの問題もないでしょう。
むしろ、手入れはうつわをより輝かせ、より楽しむためにやるのかもしれません。


やきものを洗う場合、極力洗剤は使いたくありません。
なんにしても諸々の成分がシミやすいですから、
身近にあるもの、自然にあるものが
便利で安心
よい気がします。
昔はうつわ、砂で洗っていたらしいですが(案外よさそう!)
私が使うのは
・酢
・塩
・野菜くず&果物の皮
・卵の殻
・歯磨き粉
以上です。

特に使うのが「塩」でして
名付けて

たびと流手入れ術“手塩に掛ける"

太字にしてみました!
が、なんのことはありません
文字どおり「手」と「塩」でうつわを撫で回すだけ(笑)
自分でも「あんたアタマ大丈夫か?」な感じはありますが、粗塩とお酒(または酢)をうつわに摺り込みながら丁寧に揉んでやるのです。
以前、展示で海上がりの古備前を見たときに(もちろん念入りに汚れを取り消毒されているはずですが) 

はは〜海水になにか秘密があるんだな? 

直感しまして、
もちろん妄想なんですが
なんか「塩」はイメージが良いんですよね
なんでも清めてくれるみたいで。
で、これがじつに楽しいのです
「やっぱこれだなー」
とか言いながらゴシゴシやる(笑)
みなさんもぜひ一度騙されたと思ってやってみてください。
効能は??
わかりませんが焼き締めのは土肌がしっとり滑らかになるように…
感じます。

日々の手入れでしたね🦧

・使用後は一日、酢水に浸け置く
・水洗い&塩
・溝や目地が気になれば野菜くず&果物の皮でこする
・徳利の中は卵の殻を入れシェイクする
・高台まわりの汚れは歯磨き粉&歯ブラシで

予防にくわえときどきこれをやっておけば十分じゃないですかね?
それでも汚れたら…
(ズボラな私が大丈夫なのでそんなことはないハズですが)
そのとき考えましょう?
 

汚れてしまったら

うつわを買い始めの頃、一度だけ徳利をカビさせてしまったことがあります。
そのときの経験から。

いきなり薬品に頼るのはNGです
まずはとにかく煮沸してみましょう。
注意点は
・水から沸かすこと
・ガーゼ等に包んでおくこと
自然に冷めるのを待ち丁寧に水洗い
さらに一日酢水に浸け置く
もう一度水洗いして乾燥させる

これで臭い、カビは大体取れるハズです。
あとは先に書いた「日々の手入れ」を応用すればなんとかなるでしょう。
うかつに薬品は使わないこと

※重曹はNG
なんでもピカピカにしてくれる、掃除の万能選手として大人気の重曹ですが、やきものには使わない方がよいでしょう。
個人的な経験ですが、ある本を読んで
「うつわがキレイになるといいかも」
安易な気持ちで使ったところ
すべてのうつわがヤケドしたように変色して汚らしくなってしまいました。。
天然の粘土を焼成するやきものに含まれる雑多な成分が化学反応を起こしたのか?
あるいは、自分の部屋に正体不明の特殊な雑菌が繁殖している?
のかもしれません。

壊れてしまったら

うつわは小さなほつれや欠けでも気になるものです。
壊れてしまったら…もちろん大ショックなんですが、ご心配なく。素人でもまぁまぁの感じに直せますから。
自分の手が入ることでむしろ愛着は強まるかも。
人に見せると反応はビミョーでも、とにかく楽しいです。
私はうつわを直す時間が大好きで、破片を組み合わせ、漆を塗り込めるとき自分自身が修復されてまっさらに生まれ変わるような錯覚を覚えます。
その上に金で絵を付けていく
じつに楽しいです。みなさんも、うつわが壊れてしまったときはぜひ自分の手で直してみてください。

“金継ぎ"についてはまた別の機会に書きたいと思います。

おわりに

うつわの手入れについて整理してきましたが
あー、コレ実は自分が画期的なやり方を知りたくて書き始めたんだな…と。
気が付きました。。
いやどうも失礼しました。
「これいいよ!」てやり方をご存じでしたらぜひご教授ください🙏
よろしくお願いします!

ご連絡お待ちしております(^^)

サロンたびと 平田健太郎








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