見出し画像

電車で本を読むということ

電車で本を読んでいる人は、無条件に惹かれてしまう。

車両の8割9割がスマホみるか、おしゃべりしているか、音楽聴いている中で、我関せず、な顔をして本を読んでいる人は、なんだかすごく美しい。

と、思っているので、自分もなるべく電車では本を読むようにしているのだが、最近うまく本の世界に集中できない。

というのも、自分の乗る電車はだいたいが満員電車で立って本を読むのだが、どうしても立って本を読もうとすると、座っている目の前の人の顔と本が、否応なくちょうど重なるのである。

本を読もうとすると、自然とその奥にお座りになられているマダムや、サラリーマンや、若い女の子、、の顔がちらつく。

この、”ちらつく”というのは厄介だ。

一度視線がちらつくと、ずーぅっと、頭の中でもちらつき始めるのだ。

もちろん、対策はいくつか講じてきた。

①ブックカバーをする
当然である。別に変な本を読んでいるわけではないけれど、タイトルを見せると、趣向が、思想がバレそう。なんか人間性を見透かされそうで嫌だ。
なので、ブックカバーは必須。文庫本の場合は、表紙カバーを外してタイトル部分を手で自然を覆うことでセルフカバーすることも可能。

②しおりを本から少し下に飛び出させる
相手の視線を効果的にしおりに誘導することで、こちら側の平穏な読書体験を確保しようという心理的な戦略。下に、というのがポイント。上はよく見るが、下に飛び出しているしおりはあまり見ないので、多くの人は目線を奪われる。しかも、顔から遠い下の方に目線を誘導できる。
しかし、なんかの拍子でしおり落下しそうだな、、とか考えてしまって結局あまりうまくいっている気はしない。

③本を目の前の相手の顔がちょうど隠れるようにする
これは最初、うまくいっていたのだが、相手の顔に隠そうとしている時点で、潜在的に奥にいる、得体の知れない相手の顔を意識せざるを得ず、結果的にあまり集中できないことが判明してきた。

他にもいろいろ試してみたが、なかなかこれは難しい。。

本を読んでいるはずが、本の奥にいるよく知らない人の心を読んでいるとは。。 

とまあ、読心術を習得する通勤電車の日々でしたが、
最近ふつうに気づいた。

電車の扉が開くところの両端を陣取って、読書中は扉の窓のほうを向く。

これじゃない??
移りゆく景色は、なんかむしろ家で読むより気分転換にもなるし、文字を追いかけるのに疲れたときもその時々の景色に癒されるし、本の中に描かれた情景と景色が重なることもあるし。。これは最高では??

ということで、右往左往しまくって、電車での読書体験を決めるのはポジショニング、ということが分かったというお話でした。
(ただ、扉付近の両隣、ふつうに人間の落ち着く場所なのか大体埋まってんねんな、、、読書優先思いやりゾーン作ってや、、)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?