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インドシナ day13 キリングフィールドパーティー

4時までパブストリートで宴会。
バスの時間も早いので、後ろ髪を引かれつつオール組を置いて宿に戻ろうとする…も外は大雨。
酔いも一気に覚め、虚しい帰路につく。

今日はシェムリアップを離れカンボジアの首都プノンペンへ。
タイとの国境地帯からシェムリアップまでの道中と違い、シェムリアップからプノンペンまでは非常に牧歌的な景色が続く。
時間無い組は飛行機に乗ってショートカットしがちだが、この美しい景色を見ないのは間違いなく損だろう。
代わりに約8時間もかかるand夜行バスじゃないので日中が潰れるのが悲しいが。

↑世界の車窓から。

あれ?6時間もしないうちにプノンペン到着。
法定速度ガン無視の超スピードドライブのおかげか。途中休憩で食ったストロベリースムージーが超美味かったなー、と思ってるうちにバスはメコン川沿いにあるターミナルへ。とりあえず横にあったホテルをとりあえずピックアップ、フロントに荷物を放り込む。早く観光したいねん!と適当に決めた行動が後に悲劇を呼ぶ。

↑メコン川。東南アジアを代表する大河

まだ日没まで時間があるので、トゥクトゥクを使い、かの悪名高いプノンペンのキリングフィールドへ。(キリングフィールド自体はシェムリアップをはじめカンボジア全土に300以上もある)

Q.ちょっと待ってキリングフィールドってなぁに

A.大量虐殺現場

今から50年ほど前にカンボジアのボスだったポルポトは原始共産主義が大好き。余計な知識とか教養が無くなれば貧富の差もなくなってみんな平和!ってなわけで

国民的歌手?死刑
海外留学生?死刑
眼鏡かけてる?死刑
文字読もうとした?死刑
ペンだこある?死刑
こいつ頭良さそう?死刑
とりあえずみんな死刑。

一説にはポルポトによって当時のカンボジア総人口の3割が虐殺されたらしい。なおポルポト政権が崩壊したのは1979年、日本が高度経済成長で浮かれてた時に同じアジアではとんでもないことが起きていたのだ。

そんな比較的最近のことなので、未だにカンボジアの人口ピラミッドはいろいろおかしい。

↑カンボジアの人口ピラミッド(2005)。1979年生まれ以上が軒並み殺されているのが分かる。


ところ変わってプノンペンのキリングフィールドだが、流石にこれはテンション下がる。
ご丁寧に日本語のオーディオガイド(当時の人の経験談付き)もあるので逃げ道を許さない。

そもそも施設の正式な名前がチュンエク”大量虐殺”博物館である。
中央の慰霊塔の中には無数の人骨が安置されている。あまりに殺されすぎて骨が回収しきれず、今でも雨が降れば骨や歯が地面にでてくるとか。やばい。

↑慰霊塔。塔内は人骨で埋め尽くされている。

全てが恐ろしいキリングフィールドだが、その中でも一番呪われているのがいわゆるキリングツリー。
赤ん坊の両足を持って木に叩きつけて殺したらしい(しかも母親の目の前で)。
木はそのまま残されており、雨だったので確証は持てなかったが、木には血痕らしきものも付いていた。

↑キリングツリー

↑恐ろしい英単語がズラリ

もうテンションダダ下がり。周りを見ると他の観光客組もテンションダダ下がり。白人のブルジョワマダムが涙ぐんでいる。なんならスコールも降り出し天も涙ぐんでいる。

もう閉館時間なのでトボトボとゲートを潜る…

HEY!!

テンションが高い職員が声をかけてくる。

なんですか。ワタシワルイヒトジャナイ。ラブアンドピース。

HEY!!
Let's party!! Beer!!Beer!! yeah!!

???

職員達の飲み会に巻き込まれる。

営業時間が終わってこれから飲み会やるからお前も混ざれや、とのこと。
なんでやねん。てかここ普通に詰所やん。
良いのかキリングフィールド。
もちろん快諾。

↑キリングフィールドの職員さん達と。Facebook載せろアピールが半端ない

カンボジア人、ここでもめっちゃ日本人にフレンドリー。ここでも日本の支援に感謝してる的なことをたくさん言われた。別の日本人も飲み会に誘われたが、欧米人は全く誘われてなかったし彼らの日本好きはホンモノなのかなぁと思った。嬉しい。

なぜかポジティブな気持ちで終えたキリングフィールドからの帰路。トゥクトゥクから眺めるプノンペンの景色はまた違って見える。
世界史上屈指の大惨状からよくぞここまで持ち直したものである。街は建設ラッシュが進み、次々と高層ビルが建てられていた。カンボジアの今の発展を実感するためにも、キリングフィールドは行く価値アリである。

↑プノンペン中心部のモニュメント

↑カンボジア中心部。右奥は王宮

帰路途中、スコールが勢いを増す。
トゥクトゥクは横が吹きさらしの構造なのであっという間にびしょ濡れである。流石にヤバイということで近くのマーケットに避難する。服もベタベタなのでシャツを購入…値下げの時間や!!
言い値を下げに下げまくることに快感を覚えるも、途中からこの世の終わりのような顔をするお店のオバちゃんの顔を見てると罪悪感が。最終的に言い値の半額で落札。

↑プノンペンのマーケット。服がいっぱい

↑たった10分のスコールの後の道

マーケットを10分程度で出立。スコールなのでこの頃にはもう青空が見える。ただしそこは水捌けの悪いプノンペン、一気に洪水状態だ。

シャツを物陰で着替え、宿に帰還。速攻でベットダイブ…の前に料金清算。
え、15ドル?マジ??
シャワーを浴び…え、しかもお湯が出ないの?

さすがである。
まぁ元の気温が暑いので全然良いんですけどね。

#日記 #エッセイ #カンボジア #旅行記 #バックパッカー #一人旅 #海外旅行 #プノンペン #キリングフィールド #写真

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