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野球界の丸坊主に思うこと①

先日、素晴らしい記事を見つけました。
来年のセンバツからスパイクの色が白色が認められたということです。
恐らく夏の大会での熱中症を見越した物だと思われます。
私も経験ありますが、夏場に黒のシューズを履いていると暑いというより、足が焼けるようで履いてられなくなる時があります。
素晴らしい判断だと思います。
少しでも身体に熱がこもらないようにとの英断だと思います。
私はこれで弾みをつけて足元も大切ですが、人間にとって一番大切で、また熱に弱い脳、頭部周辺の対策もして欲しいと思います。


最近の大学生ではさすがに、丸坊主の野球選手をあまり見かけません。
それでも私の知る限りでは、一年生は丸坊主であったり、あるいは何かの罰として大学生でも丸坊主を強要しているところがあるようです。
また、高校生、中学生の野球小僧たちは今でも90%以上丸坊主ではないでしょうか?


私は、この野球界の丸坊主文化には大反対です。
少年期から一貫して反対でした。
多くの子供たち、特に男の子は、物心がつき始めると、強い者、カッコいい者、ヒーローに憧れます。
身近にあるアニメの主人公や、アイドルに憧れを抱くのです。


私も例外なくそうでした。
私の場合は西城秀樹さんや、フィンガー5でした。
しかし、少し成長すると今度はただ何かに憧れるだけではなく、自分で何かを表現したい、つまり自分がヒーローになりたいと思うようになりました。
それが私にとって野球でした。


最初は近所の空き地で、集まってやる野球でした。
それが小学3年生くらいになると本格的な少年野球チームに入りたくて、父と少年野球をあちこち見学に行きました。
ところがそこにいるほとんどの子供たちが丸坊主でした。
私が憧れていたアニメのヒーローやアイドルに丸坊主は一人もいません。
いうまでもなく、西城秀樹さんも丸坊主ではありません。
このことは即座に少年野球チームには入らないネックになりました。


当時の私は、大の南海ホークスファンで、後にこの南海ホークスが所有するボーイズリーグジュニアホークス(現南海ボーイズ)に入るのですが、大好きな南海ホークスと同じユニホームを着られる、同じ練習場の中百舌鳥球場で練習できる、また頻繁に南海の選手に教えてもらえるということで、「なんとしてもジュニアホークスに入る!」と決めていました。

「なんとしてもジュニアホークスに入る!」と強く思ったのにはもう一つ理由がありました。
ホークスへの憧れ以上にジュニアホークスは、小学部も中学部も丸坊主にしなくて良かったのです。
丸坊主だけは絶対嫌だという気持ちで頑張って入団テストに受けたのを覚えています。
そんな強い思いが実って結果合格しました。


そんなわけでジュニアホークスでは丸坊主にする事もなく、だからといってチームには誰一人長髪の選手はいませんでした。
練習は非常に厳しく、また非常に強いチームでした。
ちなみにそのときのチームメイトで幼馴染に現ソフトバンクホークスの森ヘッドがいました。


私は坊主にすることなく、ボーイズリーグ最後の年、中学部3年生になります。
ちなみにこの写真は中二の夏の全国大会と大阪球場の一コマです。
髪はこんな感じです。

もう1枚。

中学2年生の秋ですが、右端の先輩の髪の長さを見ると、結構長いことがわかります。


ところが、このあと迎えた新チーム。
新しい監督がやってきました。
そこで、一気にチーム方針が変わります。
監督が代われば、チーム方針は変わるというのは当たり前のことですが、なんと、ここへきて全員が丸坊主を強制されたのです。
私は高校生になったら丸坊主ということは覚悟していましたが、さすがに中学生では「なんでやねん!」心の中で叫んだのを忘れません。


そんな心の叫びは響くはずもなく、その場でバリカンを使って五厘頭にされてしまいました。
それがこの写真です。

手前から2番目にいるでかい奴が私です。(ちなみにこの時点で185cmありました。大会の入場行進時に、いつも監督、コーチはこちらに並んでください、と言われていました)


それにしても、人生初の丸坊主はとても屈辱的で、学校に行くのすらも嫌になってしまいました。


みなさん「ドカベン」の岩鬼正美って知ってますか?
オールドファンなら思い出される方もいるでしょうが、岩鬼といえば、練習中も、試合中も、また授業中も、ずっと学生帽をかぶっていました。
後に彼は、(漫画ですが)ホークスに入団しても学生帽をかぶっていました。
もっと言うと、風呂に入る時も、頭を洗う時も、ドライヤーで頭を乾かす時ですらも。


私も、丸坊主頭が嫌で、学校で授業中もずっと帽子をかぶっていました。
リアル岩鬼正美状態でした。
別に岩鬼に憧れていたわけでもないのに。


しかし、なぜ野球をするのに丸坊主にしなければならないのでしょうか?
これに関しては疑問が尽きません。


確かに高校生になって、だんだんと抵抗がなくなっていったのも事実です。
慣れではないかと思います。
しかし、一年生の時の記憶も鮮明に覚えています。
大切な試合のたびに、怖い先輩が「よーし!気合い入れて来い!」「一年全員五厘!」。
試合に出る三年生は五厘にまではしません。
再び心の中で「なんで試合出ない俺らが五厘にせなあかんねん!」と叫びました。
丸坊主は私にとって届かない叫びの連続でした。


これからの多様性の時代で、こうした悪しき文化はなるべく早くなくしていったほうがいいと思っています。

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