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目標設定②

前回は、大きな夢を叶えるために、達成可能な目標を繰り返す方法をご紹介しました。

この方法を初めて知った時、筑波大学であるコーチング学の授業を思い出しました。

この授業で私はとあるスポーツ先進国の、ナショナルチームの育成方法を学びました。

そこでジュニアの候補生たちは、年に何回か大観衆の中でのトップナショナルチームの試合を間近で観戦します。
トップの勇姿を間近で見せるのです。

そして実際の練習では、レベルの高い順からA.B.Cと3つのクラスを設け、練習プログラムの中に、ある規則を作りました。

練習のコートをレベルの順に配置し、横並びにします。
レベルCが休憩を取る時、必ず横のコートの一つ上のレベルBは練習をします。そこでレベルCは休憩をしながら、レベルBの練習を見るのです。
同様にレベルBが休憩を取る時、一つ上のレベルAは練習をし、レベルBに見せる。

この育成方法は、大観衆とトップでのチームの試合を見せて、最終的に自分もここでプレーするんだという大きな夢、目標を持たせ、実際の練習では、自分のレベルより少し高いクラスのプレーを見せる。

自分のレベルよりだいぶ高いプレーを見せても、「そんなのできないよ」となりがちですが、少しだけ高いレベルのプレーを見ることにより「これなら自分にもできそう」と思わせ、トライさせるという方法です。

察しの良い方なら、もうお気づきだと思いますが、定期的にトップチームを見せて、大きな目標をしっかり持たせつつ、実際の行動は少しレベルの高いプレーを見せて「これなら自分にもできる」と思わせ、達成可能な目標を作る。
大きな目標に向かって達成可能な目標を作らせるという前回のお話に直結します。

ではこの話を前回例に上げた一回戦すら勝てない高校野球チームに当てはめてみましょう。
私がそのチームの監督ならば、まず甲子園に連れて行き、全国大会を見せます。
「近い将来必ずここに来るんだ!」とイメージしてもらいます。

次に、毎年コンスタントに一回戦は勝っているチームを探し、練習試合を繰り返します。
そこで、何が違うのかを話し合い課題を見つけ、それらを一つずつクリアしていく。

そこで、全ての課題をクリア出来れば、次は毎年コンスタントに2回戦までは行っているチームを探し、練習試合を繰り返し、同様に課題を見つけ、一つずつ克服していきます。

このプロセスにおいて、心が折れそうになれば、プロ野球でもいいので甲子園に行き、ここの場所来るんだ!と憧れの気持ちを高めます。
(甲子園大会のビデオでも良いと思います)


この場合、「甲子園」が大きな目標で、コンスタントに1回戦を勝っているチームのレベル、2回戦を勝っているチームのレベル、3回戦を勝っているチームがそれぞれ大きな目標に向かってのおぼろげながらの落とし所となります。
そして、各レベルの課題をクリアしていくことが達成可能な目標となります。

現在、日本のスポーツ医科学は、決して他国に遅れはとっていません。
遅れているのは、このような「やる気にさせる技術」ではないか?と思います。
よく小さな事の積み重ねと言いますが、まさにその通りですね。

しかし、積み重ねによって、階段をどんどん昇って行く中に気をつけなければならない事が出てきます。
そこで、本当に大きな夢を掴む人と、中途半端に終わる人、諦めてしまう人という3つのパターンが出てきます。

それら3つに至るにはとても重要なターニングポイントが存在します。

その時、どうするかによってその差が生まれるのです。


次回は、この夢に辿り着くまで気をつけたい事をお伝えします。

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