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打ち合わせについて本気出して考えてみた。

「今日は打ち合わせがあるから帰りが遅くなるなあ・・・」
「ああ、早く終わらないかなあ・・・」
「これ、何の話し合いだったっけ・・・」

僕が仕事を始めたばかりの時、少なからずこう思っていた。
打ち合わせの重要性について、意味もわかっていないし、実感もない。ただいつもよりも帰りが遅くなってしまう、時間を拘束される。
そんなふうに考えていた。

でも、それはとんでもなく大きな間違いだった。
学年での打ち合わせをどんな時間にするかが、子供にとっても、大人にとっても、大きな意味を持つということに気づいたのは、自分が学年主任を任されるようになって、しばらく経ってからのことだった。

学年主任として、8回目の学年を迎えた僕が、学年経営上、1番大切にしている時間が、学年での打ち合わせの時間だ。
毎週必ず時間をとって行うこの時間が、単なる予定の確認や授業進度の確認で終わってしまってはいけないと今は考えている。

学年で打ち合わせをする目的は何か?

予定の調整? 授業の提案? 行事についての確認? 生徒指導事案の共有?
もちろんここに挙げたことはどれも大切なことだ。

だが、それは手段であって、目的ではない。

学年打ち合わせの目的は、子供達にとってのプラスを最大化することだ。

もう一度言おう。

学年打ち合わせの目的は、子供達にとってのプラスを最大化することだ。

打ち合わせの内容は、そこを前提に考えなくてはならない。

「今している話が、子供にとって、どうプラスになるのか」を意識して話をするのと、そうでないのとでは、結果に大きな違いが生まれる。

子供にとってのプラスとは?

子供にとってのプラスとは、シンプルに言えば、子供が幸せな学校生活を送れることだ。
やりたいことがやれる。
より良い人間関係を築く。
そんな学校生活を送れるようにすることが先生の仕事だ。

子供にとってのプラスを最大化しようとするなら、同時に先生にとってのプラスも最大化されなければならない。
子供にとってのプラスと大人にとってのプラスが相反するものであってはならない。
先生が健全であることは、子供達にとってのプラスの最大化を目指す前提だ。
だから学年のメンバーの心身の状態については、常に気にかけておく必要がある。

学年での打ち合わせが長くなりすぎると、先生の健康を損なうことになる。
逆に短すぎて抜けや漏れがあれば、先生が子供や保護者から信頼を失うことになる。
内容は精選した上で、かつ抜け漏れがないようにせねばならないということだ。

具体的に何をやるのか? 〜メソッド編〜

では、学年での毎週の打ち合わせでやらなければならないことは何か。
学年のメンバー相互の安心感と信頼感をベースにした、【確認】【提案】【共有】の3つがキーワードだ。

私が具体的に打ち合わせでしていることは、下記の5点である。

①1ヶ月先までの予定の確認
②行事など、担当からの提案
③授業について(進度・手立て・今後の予定・評価など)の確認・提案・共有
④各クラスの子供の様子・生徒指導事案などの共有
⑤その他連絡事項

どの内容も、子供にとってのプラスを最大化するという目的に向かってやっているということ。まずはこの認識を、学年団全員が持つことから始めたい。

①1ヶ月先までの予定の確認

先生が見通しを持つことで、余裕が生まれ、子供への関わりが変わる。
学校行事だけではなく、学年メンバーの動静も共有し確認する。
学年での取り組みの大まかなスケジュールも同時に示し、打ち合わせの日程や会議の日程なども一覧にしている。
その紙を見れば1ヶ月の見通しが持てるように心がけている。

②行事など、担当からの提案

行事についての提案を検討するのは、その行事で子供たちをより伸ばすためだ。
担当から学年の行事や学校行事に向けてどのように進めていくかを提案してもらい、みんなで練り上げる。
大きな目的は全員で一致させた上で、詳細については担当に任せるようにしている。

③授業について(進度・手立て・今後の予定・評価など)の確認・提案・共有

授業について話し合うのは、子供にとってより良い授業を実践するため。
高学年では、教科担任をしているので、その週の授業の様子や、今後の予定を共有する。
進め方で迷うところは相談するし、より良い手立てがないかアイディアをもらうこともある。
自分が独自に試してみたことも共有し、意見をもらい、ブラッシュアップしていく。
大きな授業の方針については学期初めに共有しているため、使用する教材や授業の流れなど、より細かい部分まで話し合うことができる。
学年の打ち合わせは同時に授業の研修であり、OJTの場でもあると思う。

④子供達の様子について共有する

子供理解をより深め、担任だけではなく学年全員で子供を育てるため。
特に担任から見た自分のクラスの様子だけではなく、教科担任で入る先生から見た姿を共有する。
この時に、良い面にしぼって、それをたくさん伝え合うことで、子供達に対するプラスの言葉掛けが増えることを狙っている。
担任から、そして教科担任から、一つのプラスの出来事に対して、複数の口からポジティブなフィードバックがあることは、子供達にとって確実にプラスになると考えている。

⑤その他連絡事項

学校という大きな組織で考えた時に、学年がスムーズに立ち回れるには、ここの抜け漏れがないことが大切。そうすることで職員からの信頼が得られ、業務がスムーズに進む。
事務的な仕事のタスクや締切があるものに関して、共同編集で書き込む。
ここでの抜け漏れがないことが、子供達や保護者だけでなく、職員の信頼を作ることにもつながる。

以上が、学年打ち合わせの具体的な流れである。

実際の資料はこのような紙面をTeams上に共有し、全員が編集可能な状態にしている。学年主任だけが資料作成の主体ではなく、学年メンバー全員が主体となるようにしたい。

みんなで同じ絵を描こう〜マインド編〜

さて、ここまで、具体的に何をやるべきかは述べてきた。じゃあ早速、この流れをそのままやってみよう!って思えるあなたの行動力は素晴らしいが、ちょっと待ってほしい。
おそらく、同じ流れで話をしたとしても、思うような話し合いにならない可能性の方が高い。

僕も学年主任になりたての頃は、先輩の見様見真似でやっていた。
でも、やってみてわかった。
メソッドだけでは、半分。
肝はマインドであるということが。

では、実際の打ち合わせで学年主任が持っておくべきマインドとはどのようなものか。

安心感と信頼感をベースに〜信じて任せて認める〜

学年打ち合わせのゴールは、学年打ち合わせ終了後、全員が同じ絵を描けるようにすることだ。
メンバーが同じ方向を見て子供達と関わるからこそ、プラスが最大化されるのである。

同じ絵を描くには、その人が納得するまで質問したり、わからないことをわからないと言ったり、自身の考えを表明したりする必要がある。

そのベースになるのが安心感と信頼感だ。

信じて任せて認める。
子供に対してやっていることを、大人に対しても同じようにやるのだ。

そのためのマインドセットが5つある。

①機嫌良く、余裕を感じさせること
②自分が話すよりも、メンバーの話を聞くこと
③提案に対しては、同意する前提で聞くこと
④誰の仕事か分担し、締切とゴールを明確にすること
⑤プラス面にスポットライトを当てること

①機嫌良く、余裕を感じさせること

機嫌よくいることは全ての土台である。機嫌の悪い人や余裕のない人に話しかけることは難しい。
機嫌よく、余裕がありそうに思うから、話しかけるハードルがさがる。相談しやすくなる。
話をすることで、安心感や信頼感が生まれるのだ。
重ねた対話の量、コミュニケーションの量が問われる。

同僚の機嫌をとることほど無駄な労力はない。
リーダーにとって、ご機嫌を伺われるというのは、最悪の事態であると心得たい。

②聞く!聞く!聞く!

学年主任という役割があることで、自分の話す量が増えてしまいがちである。
「自分は話をしない!」って決めておくくらいでちょうど良い。
メンバーの話、特にNo.2の立場の人や、初任者、若手の考えを、全員でよく聞くことがチームの力をより高めることにつながる。
聞いてもらえるから話をしたくなる。
自分が話をするよりも、メンバーに話をしてもらうことのほうに価値をおきたい。

③提案に対しては、同意する前提で聞くこと

提案は基本的に全承認する。
人は「かい」があるから動く。
承認する前提で、「それをより良くするためには」という話し合いをすることで、提案者の力にもなるし、やりがいと責任が生まれるのである。
逆に言えば、学年主任はメンバーの提案を全承認できるほどの器の大きさを持たねばならないし、学び続けなければならないということだ。

④誰の仕事か分担し、締切とゴールを明確にすること

誰の仕事かをはっきりさせることは、学年主任の仕事である。
ここまでできれば良いというゴールと、この日までにという期日を示すことで、担当者が見通しを持って進めていくことができる。

そして、仕事を分担したら、その後の進捗を確認する。
任せることと放っておくことは違う。
任せるというのは、担当者自身が、「自分でやった」「やってよかった」と思えるようにすることだ。
「こうしてみたら?」というのではなく、「今どんな感じ?」という一言から始める。担当者自身が、自分の現状を把握できるように、声をかけ続けることが大切だ。
そうすることで、相談しやすい空気を作ることができる。

⑤プラス面にスポットライトを当てること

マイナス面は意識しなくても勝手によく見える。
そして、マイナス面はあえて言わずとも自覚していることが多い。

学年メンバーのプラス面をどれだけたくさん見ることができるか。
その人が気づいていないプラス面をどれだけ自覚させることができるか。
ポジティブな感情で打ち合わせを終えることで、翌週への活力が生まれるのだと思う。
ポジティブフィードバックにこだわり、メンバーにプラスの感情を生むことが、リーダーにとって最も大切な資質だと思う。

学級経営で大切にしていることと学年経営で大切にすることは同じ。

ここまで述べてきたように、学年での打ち合わせは、ただの予定確認で終わらせてはならない。
この時間を充実させることで、子供にとっても、先生にとっても、学校生活がより幸せなものになる可能性があるからだ。

先生方へのプラスが最大化されることで、子供達にとってもプラスが最大化される。
子供達へのプラスを最大化させようと思えば、先生方へのプラスが最大化される必要がある。

ここまで書いてきたことは、普段の学級経営で心がけていることでもある。
それを、学年の先生方に対しても同じようにすることだ。

リーダーが安心感と信頼感のある空間を作っていくことで、やりたいことがやれる。より良い人間関係が築ける。
それが幸せな毎日の土台となる。
これは、担任として学級で心掛けたいことと同じではないだろうか。

リーダーは、より広く、より深く、より長い視野を持たねばならない。

私のお世話になった校長先生よりいただいた言葉

この文章が、その一助となれば嬉しいです。

私もまだまだ道半ば。
ともに自己ベストを更新していきましょう!

No Limit‼︎ New Record‼︎

それでは。
Good Luck!!

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