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〈41〉夏の家庭菜園は楽しい!/畑で野菜をつくる夢を叶えた昔のロック少年。

6月末。今年初めて収穫した野菜たち。

ロック少年は畑を耕すのか?

いつ頃からだったか忘れたが、Nさん(オット)は以前マンション暮らしをしていたときに、プランターでトマトや茄子やオクラを栽培しはじめた。毎年、初夏になると忘れずに苗を買い求め、プランターの土を入れ替え、支柱を立て、茎やツルをそれに留め、せっせと水やりをした。そこそこの収穫があり、夏の食卓を彩った。
私は、まさか彼が土いじりを始めるなんて想像もしていなかったから驚いた。子供時代は田舎のロック少年で、成長してカメラマンになった人が、地面にしゃがみ込むか? いやいや、想像できない。彼のお母さんも、息子が野菜を育てていると聞き「まさか」と絶句していた。
しかし原体験があったらしい。Nさんは小学生の頃、お小遣いをもらうと花の種を買い、庭の隅で育てていたという(いじらしい…涙)。あるいは隣家のお兄ちゃんにもらった数粒のトウモロコシの種を土に埋めて育て、立派なトウモロコシを何本も収穫したそうだ。その小さな喜びが半世紀を経てNさんを家庭菜園へと向かわせたに違いない。

一軒家に住んで自分の畑をつくりたいんだって。

いま住んでいる家を建てた理由の何割かはNさんの家庭菜園のためだ。プランターではなく、地植えで野菜を育てたいと言った。思いつきで言っているんじゃないのは、プランター栽培の丁寧さを見ればわかる。私は畑に興味はないけれど、そういう暮らしもいいなと思えた。
数年後、幸運にも家を建てられた。
マンション時代のプチ菜園を経験したおかげで、戸建に引っ越してからの畑仕事は順調に進んだ。Nさんは自宅の敷地の一部を耕して畑にし、さらに隣接した空き地も使わせてもらって、そこに畑をつくった。石ころだらけの土地を畑にするのは骨の折れる作業だと思うが、マジメなNさんは、黙々と土を起こし、石を取り除き続けた。畑の広さを表す単位はよくわからないが、畳にすると合計20枚にはなると思う。自分の家で野菜をつくりたいというNさんの夢は十分に叶ったわけだ。

今年も夏野菜が立派に美味しく育った。

Nさんの夏の畑は6月末から収穫が始まり、7月末の今は2人では食べきれないほどの夏野菜が採れる。記録のために6月末に写真を撮った。その頃はまた害虫もつかず、葉も実も美しい。

長茄子。もう少し長くなる。
ピーマン。今年は豊作。
キュウリは水不足で枯れかけたが、その後雨が続き生き返った。
ピーマンは今年大豊作。私はきんぴら炒めにするのが大好き。
トマトは大玉、中玉、ミニトマトと、いろいろな種類を栽培。これは中玉。宝石みたいにキレイ!
バジルも大きく育った。トマトに合わせるとイタリアンが簡単だ。
サヤインゲンの一種。この後、たくさんの実がついた。
落花生。10月ごろに掘り起こし、塩を効かせたお湯で茹でる。茹でピーは私の大好物。


夏野菜が終わるより先に料理メニューが尽きてしまいそう!

トマトとチーズにバジルをたっぷり散らして。塩とオリーブオイルをかけるだけで最高。
ピーマンをきんぴら風に炒めてジャコを散らす。お弁当の定番だったが今はビールのお供。

自家栽培の野菜が採れるから、当然、夏は野菜料理が多くなる。夏もはじめのうちはボチボチ収穫して自分のペースで料理ができるが、盛りになってくると野菜のペースに人間が合わせなくてはいけない。次第に義務感で食べている気がする。
キュウリにいたっては、毎朝漬物がわりに塩もみを小鉢いっぱい食べるが、冷蔵庫のキュウリはなかなか減らない。仕方ないのでメニューを考える。塩昆布とごま油で和えたり、千切りにして酸辣湯風スープにしたり、ニンニクを効かせたドレッシングでサラダにしたり。アレンジしてみるがアイデアの方が先に底を尽きそうだ。
それでも毎年、夏野菜が終わると寂しくなる。もちろん冬野菜も栽培してはいるが、夏野菜ほど立派には育たない。夏は太陽が勝手に野菜を大きくしてくれるから素人の畑でも豊作だが、日当たりの悪い冬の畑ではそうはいかない。冬はスーパーの野菜の方が立派で安い。残念だけどね。
それを考えるとと、いまが幸せの真っただなかだ。

夕方。涼しい風が吹くころNさんは帰宅して、野菜に水を撒く。その姿を2階のキッチンから眺めていると、何かに熱中するロック少年の面影が見えてくるのは、妻の欲目だろうか。何はともあれ、よかったね、Nさん。

家庭菜園で採れた野菜たっぷりの肉料理。ビールがウマイ!





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