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Ambient jungle,Atmospheric jungle/d'n'bのつくり方:①Pad編

今回はPad soundのつくり方について説明をしていきます。
その前にBPMの設定について触れておきます。
Ambient,Atmospheric jungle/d'n'bのBPMは155~180の幅に収まることが多いです。よく使われる一つのテクニックとしてBPM160の曲をつくる際、Pad soundをBPM80、BreakbeatsをBPM160として扱う方法があります。こうすると、空間のゆったりとした流れとBreakbeatsの疾走感が心地よいコントラストを生みます。Trackerを用いた場合(通常のDAWでも同じことが行えますが)、BPM320として扱うことも可能です。glitchやIDM系の細やかなリズムを打ち込む際はこの方が良いという方もいらっしゃいます。
ここではプロジェクトファイルのBPMは87。リズム(Breakbeats)の打ち込みはBPM174とします。

Ambient,Atmospheric jungle/d'n'bでは(基本的に)7thのコードを用います。特にminor 7thにテンションノートを加えたminor 9thを使用することが多いです。この他major 7thやsus4,sus2などを7thコードと重ねてメロウな雰囲気を演出する方法もあります。ここでは3つの方法を各セクションに分けて紹介します。

1.synthesizer

まずは(実機又はソフトウェア)シンセサイザーを使用してPad soundをつくります。ここではminor 9thを用い、keyはFとします(4/4拍子)。
今回は分かりやすいように4~8小節分の長さのPad soundをつくっていきます。
音色は好みにもよりますが、Ambient jungleは90年代~2000年代のシンセサイザ、Atmospheric jungle/d'n'bを以降の現代的なシンセサウンドと便宜上分けます(この限りではありません)。
いくつかのシンセサイザをピックアップしておきます。
Korg Triton
Korg MS2000b
Korg M1
korg wavestation
Arturia Pigment

Pad soundが出来ましたら今回はレンダリングします。
雰囲気の良いPadをいくつかレンダリングし終えたら、それらを2~3つ重ねてレイヤーをしていきます。初めはミキサーでvolumeの調整のみ行い、この時点で相性の良い組み合わせが判断出来るかと思います。そして低域成分が重なりマスキングしている帯域をEQ(High passまたはLow shelf)で削ります。
最後にレイヤーしたPad soundを一つのwaveとして出力します。

2.Resampling

最終的に出力したPad soundをそのまま使用しても良いのですが、今回はそれをサンプラーに取り込みResamplingをしていきます。
標準的なサンプラーでは取り込んだ後、自動的にRoot noteがC5(ドの音)に割り当てられます。ここではRoot noteのC5にF4、F5のnoteを配置して音を重ねます。こうすることで壮麗・神秘的なPad soundをつくることが出来ます。

次に行うことはLoop pointの設定です。Resamplingを行うとピッチの高さによってサンプルが鳴り終わるタイミングにズレが生じます。そこでLoop start/end pointを設定することで、その問題の解決を図ります。
Loop start point →Loop end point→Loop type(Bounce)に設定を行ってください。Loop type(Bounce)を選択すると、Loop start/end point内でサンプルがリフレクトし続けます。
今回はそのようにして出来上がったPad soundを再びレンダリングし、最終的に一つのwaveとして出力します。

3.Effect及びMorphingについて

上記の方法で一つのPad soundが出来上がりました。
追加の要素としてDelay(ponping)やChorus、Flanger、Phaser、Auto panを使用することも出来ます。この辺りは好みや考え方によって変わってくると思いますので今回は触れません。

Morphingは割と重要な要素だと考えています。Morphingを行うことで空間の時間的な変化に彩りが生まれます。
オーソドックスな方法として2~3つの(相性の良い)Pad soundを用意します。それらを、それぞれが波打つようにvolumeのautomationを描きます(この限りではありません)。
単純な方法ではありますがMorphingの概念を理解しておくと、一つのsynthesizerでAmbient musicが完結する程の物になります。

今回はこれで終了です。
追加要素については随時更新してゆきます。
それでは、また

#Ambient #Atmospheric #FLstudio #Jungle #ドラムンベース #Amenbreak  #音楽 #サンプラー #カセットテープ #Synthesizer  

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